【問160】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|仲裁制度とADR
倒産処理と紛争の予防・解決 問20/20難易度B(標準)
問題文
仲裁および裁判外紛争解決手続の利用に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.仲裁合意は当事者間の口頭の合意によっても有効に成立し、書面または電磁的記録によってされることを要しない。
- 2.仲裁合意の対象とされた民事上の紛争について一方の当事者が訴えを提起した場合であっても、裁判所はその訴えを却下することはできない。
- 3.仲裁判断の内容に不服がある当事者は、裁判所に対して上訴をし、紛争の内容についてあらためて審理を求めることができる。
- 4.仲裁判断は当事者間において確定判決と同一の効力を有するが、これに基づいて強制執行をするには裁判所の執行決定を得る必要がある。
解説
正解は4。仲裁判断は、確定判決と同一の効力を有する(仲裁法45条1項)。もっとも仲裁判断それ自体は債務名義とはならず、これに基づいて強制執行をするには、裁判所に対して執行決定を求める申立てをしなければならない。1は誤り。仲裁合意は書面(電磁的記録によるものを含む)によってしなければ効力を生じない。2は誤り。仲裁合意の対象とされた民事上の紛争について訴えが提起されたときは、被告の申立てにより裁判所は訴えを却下しなければならない(妨訴抗弁)。ただし被告が本案について弁論をした後などはこの限りでない。3は誤り。仲裁は一審制であって上訴による不服申立てはできず、手続に重大な瑕疵があるなど法定の事由がある場合に取消しの申立てをすることができるにとどまる。2級では、法務大臣の認証を受けた認証紛争解決事業者による手続には時効の完成猶予の効果が認められること、民事調停において成立した調停の調書の記載が裁判上の和解と同一の効力を有することもあわせて確認しておきたい。