【問121】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|人的担保と物的担保の違い
債権の担保と回収 問1/20難易度A(易しい)
問題文
債権の担保手段としての人的担保と物的担保の違いについて、最も適切なものはどれか。
- 1.人的担保は保証人の一般財産が引当てとなるため、債権者は保証人の他の債権者に優先して弁済を受けられる。
- 2.物的担保は特定の財産の交換価値を把握し、他の債権者に優先して弁済を受けられる点に特色がある。
- 3.物的担保を設定できるのは債務者自身が所有する財産に限られ、第三者の所有物を目的とすることはできない。
- 4.連帯保証は債務者以外の者の財産を引当てとするものであるから、担保物権と同じく物的担保に分類される。
解説
正解は2。物的担保は、抵当権や質権のように特定の財産の交換価値を把握する担保であり、その財産の換価代金から他の債権者に先立って弁済を受ける優先弁済権が認められる(民法342条、369条1項)。担保目的物さえ価値を保っていれば債務者の資力悪化の影響を受けにくい点が、人的担保にはない強みである。
1は誤り。保証は保証人の一般財産が引当てとなるにすぎず、保証人が無資力になれば保証債権者も保証人の他の一般債権者と債権額に応じて按分されるだけで、優先権はない。人的担保の機能は責任財産となる者を増やす点にある。3は誤り。債務者以外の第三者が自己の財産を担保に供する物上保証が認められており、民法もその求償権を定めている(民法351条、372条)。4は誤り。連帯保証は保証人の一般財産を引当てとする人的担保であり、特定の財産を目的とする物的担保ではない。
2級では、人的担保は責任財産を「増やす」もの、物的担保は特定財産に「優先権を与える」ものという機能の違いを押さえ、担保の選択や当事者間の帰結を導けるようにしておきたい。