【問118】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|犯罪収益移転防止法上の特定事業者の義務
金融・証券業等に関する法規制 問18/20難易度B(標準)
問題文
犯罪による収益の移転防止に関する法律が特定事業者に課している義務について、最も適切なものはどれか。
- 1.疑わしい取引に該当すると判断した場合には行政庁に届け出なければならず、届出をしようとすることを当該顧客に漏らしてはならない。
- 2.取引時確認の対象は氏名・住居・生年月日といった本人特定事項に限られ、取引を行う目的や法人の実質的支配者までを確認する必要はないとされている。
- 3.疑わしい取引の届出は、あらかじめ当該顧客の同意を得た場合に限って行うことができる。
- 4.取引時確認を行った場合であっても確認記録を作成する義務はなく、取引に関する記録についても保存義務は課されていない。
解説
正解は1。犯罪収益移転防止法は、金融機関、クレジットカード事業者、宅地建物取引業者、貴金属等取扱事業者などの特定事業者に対し、特定業務に係る取引について収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるときなどに、行政庁への疑わしい取引の届出を義務づけている。そして、届出を行おうとすることまたは行ったことを当該取引の相手方等に漏らしてはならないとされており、この漏えい禁止が制度の実効性を支えている。2は誤り。取引時確認では本人特定事項に加え、取引を行う目的、職業または事業の内容、法人の場合は実質的支配者などの確認が求められる。3は誤り。届出に顧客の同意は必要でなく、同意を求めること自体が漏えいとなり得る。4は誤り。確認記録および取引記録は一定期間保存しなければならない。2級では、なりすましの疑いがある取引などのハイリスク取引について、より厳格な確認方法が要求される点も押さえておきたい。