【問85】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|第三者提供の同意と例外事由
情報の管理・活用とデジタル社会 問5/20難易度B(標準)
問題文
個人データの第三者提供に係る本人の同意とその例外事由に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.親会社と子会社の間であれば同一グループであるから、個人データの提供に本人の同意は不要である。
- 2.人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意を得ることが困難なときは、同意なく提供できる。
- 3.警察からの捜査関係事項照会に応じる場合であっても、本人の同意がなければ回答してはならない。
- 4.第三者提供の記録の作成義務は、提供する側にのみ課され、提供を受ける側には課されない。
解説
正解は2。個人データの第三者提供にはあらかじめ本人の同意が必要であるが(27条1項)、人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときは例外として同意なく提供できる。災害時の安否情報の共有などが典型例である。
1は誤り。法人格が異なる以上、親会社と子会社の間の提供も第三者提供に当たる。グループ内でデータを共有するには、本人の同意を得るか、共同利用の要件を満たす枠組みを整える必要がある。
3は誤り。捜査関係事項照会に基づく回答は法令に基づく場合に当たり、本人の同意なく提供することができる。ただし照会の範囲を超える情報を提供すれば適法性を欠く。
4は誤り。トレーサビリティ確保のため、提供者には提供年月日や提供先の氏名等を記録し保存する義務が(29条)、受領者には提供元の氏名や当該個人データの取得の経緯を確認して記録する義務が課されている(30条)。
2級では、例外事由の暗記にとどまらず、グループ企業間のデータ共有をどの法的枠組みで正当化するか、記録義務をどう社内運用に組み込むかという実務判断まで問われる。