【問1】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|申込みと承諾による契約成立の要件
企業取引・契約の法務 問1/20難易度A(易しい)
問題文
契約の成立時期および申込みと承諾に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.契約は当事者の合意のみでは成立せず、法令に特別の定めがない場合でも契約書の作成が効力要件となる。
- 2.承諾の期間を定めてした申込みであっても、申込者は承諾が到達する前であれば自由に撤回することができる。
- 3.承諾の意思表示は原則として申込者に到達した時にその効力を生じ、その時点で契約が成立する。
- 4.申込みに条件を付して変更を加えた承諾も、申込みの重要な部分を変えない限り契約を成立させる。
解説
正解は3。意思表示は相手方に到達した時からその効力を生ずるのが原則であり(民法97条1項)、改正前に置かれていた隔地者間の契約についての発信主義の特則は削除された。したがって、承諾の意思表示が申込者に到達した時点で契約が成立する。1は誤り。契約は申込みと承諾という意思表示の合致によって成立し、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない(民法522条)。契約書は成立要件ではなく、合意内容を明確にする証拠としての意味をもつ。2は誤り。承諾の期間を定めてした申込みは、申込者が撤回をする権利を留保したときを除き、撤回することができない(民法523条1項)。その期間内に承諾の通知を受けなかったときは、申込みは効力を失う。4は誤り。申込みに条件を付し、その他変更を加えた承諾は、申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされる(民法528条)ため、それだけでは契約は成立しない。3級が契約の定義を問うのに対し、2級では申込みの拘束力の有無や成立時期を条文の要件から判断させる出題がされる。