シカクモン

総務・人事が取るべき資格5選|50人の壁で必須になる衛生管理者と個人情報系の優先順位

公開: 2026-09-03

総務・人事の仕事は範囲が広く、「何から勉強すればいいか分からない」という声をよく聞きます。この記事では、資格を法令上どれだけ必要かという基準で並べ直します。趣味の資格集めではなく、会社が困る順です。

優先順位の考え方:法令が名指しで求めるものが最優先

総務・人事に関係する資格は、次の3つに分かれます。

  1. 法令が選任を義務づけているもの(会社が罰則を受ける)
  2. 法令上の義務はないが、担当者の判断ミスが直接損害になるもの
  3. 知識の裏づけとして役立つもの

1は「取っておくと有利」ではなく「誰かが持っていないと会社が違法状態になる」資格です。ここから埋めるのが合理的です。

1位:衛生管理者(従業員50人で選任義務が発生する)

労働安全衛生法により、常時50人以上の労働者を使用する事業場は衛生管理者を選任しなければなりません。総務・人事が担当することが多く、社内に有資格者がいないと外部から探すことになります。

項目 内容
選任が必要になる規模 常時50人以上の事業場
選任の期限 該当してから14日以内。選任後は労働基準監督署へ報告
必要な人数 50〜200人で1人、201〜500人で2人、501〜1,000人で3人(以降も規模に応じて増える)
罰則 選任を怠ると50万円以下の罰金(労働安全衛生法120条)

第一種と第二種があり、第一種はすべての業種で選任できます。第二種は情報通信業・金融保険業・卸売小売業など、有害業務との関連が少ない業種に限られます。自社の業種が第二種で足りるか判断がつかない場合は、第一種を取っておけば業種を問いません。

急成長中の会社は、50人を超えた時点で慌てることが多い資格です。超える前に取っておくのが正解です。

姉妹サイトの衛生管理者ドリルで、第一種・第二種あわせて1,000問の練習問題と本番形式の模擬試験を無料公開しています。

2位:個人情報保護士(漏えい時の対応を判断できる人が要る)

個人情報の取扱いは、選任義務こそないものの、判断ミスが直ちに報告義務違反や損害賠償につながる領域です。人事は履歴書・健康診断結果・マイナンバーと、要配慮個人情報を日常的に扱います。

個人情報保護法(令和2年改正法・2022年4月1日全面施行)では、一定の漏えい等が発生した場合に個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられました。「報告が必要な事案かどうか」を社内で判断できる人がいないと、初動が遅れます。

個人情報保護士の練習問題337問(個人情報保護法・マイナンバー法・情報セキュリティの3分野)

3位:マイナンバー実務検定3級(収集・保管・廃棄のルールが独特)

マイナンバー(特定個人情報)は、通常の個人情報より厳しいルールが課されています。利用目的を後から変更できない、必要がなくなったら廃棄しなければならないなど、一般的な個人情報保護の感覚で扱うと違反になります。

年末調整や入退社の手続きで必ず触れる情報なので、人事担当者の実務と直結します。

マイナンバー実務検定3級の練習問題200問

4位:個人情報保護実務検定(運用ルールを作る側になるなら)

個人情報保護士が法律の理解を問うのに対し、こちらは社内規程の整備・委託先管理・従業者教育といった運用に軸足があります。すでに個人情報保護士を持っていて、次に規程を作る側に回るなら有効です。

違いの詳細は個人情報保護士と個人情報保護実務検定の違いにまとめています。

個人情報保護実務検定の練習問題200問

5位:ビジネス実務法務検定3級(契約書を読む土台)

総務は契約書の窓口になることが多い割に、法務部が無い会社では誰も内容を確認していない、ということが起きます。3級は民法・商法・会社法の基礎を一周する構成で、契約書のどこを見るべきかの土台になります。

法務の実務に踏み込むなら2級ですが、総務の兼務であれば3級で十分に元が取れます。

ビジネス実務法務検定3級の練習問題200問

まとめ:会社の規模で優先順位は変わる

  • 従業員50人が見えてきた会社:衛生管理者が最優先。他は後回しでよい
  • すでに50人を超えている会社:衛生管理者は選任済みのはずなので、個人情報系から
  • 個人情報を大量に扱う業種:個人情報保護士とマイナンバーを先に

いずれも当サイトと姉妹サイトで無料の練習問題を公開しています。まず1つ、自社で今いちばん困る資格から始めてください。


※選任義務の要件・罰則は労働安全衛生法および関係政省令に基づきます。自社の業種・規模での具体的な扱いは、所轄の労働基準監督署または社会保険労務士にご確認ください。