【問182】賃貸不動産経営管理士 練習問題|不動産証券化のスキームと当事者
賃貸業への支援業務(税・保険・証券化) 問12/15難易度B(標準)
問題文
不動産証券化において用いられる特別目的会社および信託の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.不動産証券化では、対象となる不動産をもとの所有者の財産に留めたまま証券を発行し、その所有者自身の信用力を裏付けとして資金を調達することが基本形とされる。
- 2.特別目的会社を用いる方式では、対象不動産から生じた収益は投資家に分配されることなく、そのすべてが特別目的会社の内部に留保される。
- 3.対象不動産を特別目的会社に譲渡し、または信託を設定して受益権とすることで、もとの所有者の信用リスクから切り離す倒産隔離が図られる。
- 4.信託を用いる方式では、投資家は信託の受益権ではなく、対象不動産そのものの共有持分を直接に取得することになる。
解説
正解は3。不動産証券化は、不動産から生み出される賃料収入等のキャッシュフローを裏付けとして証券を発行し、多数の投資家から資金を調達する仕組みである。その要となるのが倒産隔離であり、対象不動産を特別目的会社に譲渡し、あるいは信託を設定して信託受益権とすることにより、もとの所有者が倒産しても対象不動産やそこから生じる収益が影響を受けないようにする。1は誤り。もとの所有者の財産に留めたままでは所有者の信用力と切り離すことができず、証券化の前提が満たされない。証券化には不動産そのものの収益力を裏付けとする点に意味がある。2は誤り。特別目的会社は資産を保有し収益を分配するために設けられる器であり、得られた収益は投資家に分配される。4は誤り。信託を用いる方式で投資家が取得するのは信託受益権であり、受益権という金融商品の形で流通させることに意義がある。誰の信用を裏付けとしているのかという観点から仕組みを理解したい。