【問318】個人情報保護士 練習問題|マイナンバー制度と本人確認の限界
問題文
銀行が犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認を行う際、本人確認書類として顧客から個人番号カードの提示を受けた。番号法上の扱いとして最も適切なものはどれか。
- 1.本人確認書類として使えるが、個人番号を記録することはできない
- 2.取引時確認は法定の利用目的にあたるため、個人番号を記録してよい
- 3.顧客の同意を得れば、確認記録に個人番号を記録することができる
- 4.個人番号カードは本人確認書類として使うことができない
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
個人情報保護委員会は、犯罪収益移転防止法の取引時確認において確認記録に個人番号を記録することは番号法第19条各号のいずれにも該当せず認められないとしています。カードの券面で氏名・住所・生年月日を確認すること自体は問題ありませんが、個人番号の記録・収集は別問題です。裏面の写しを受け取った場合は個人番号部分をマスキングする等の対応が必要です。
選択肢2 → ❌誤り
金融機関が個人番号を利用できるのは、番号法第9条第4項により所得税法の支払調書提出など法令で個人番号を用いた事務を行うものとされた場合に限られます。犯罪防止のための取引時確認はこれに含まれません。
選択肢3 → ❌誤り
番号法第20条は第19条各号に該当しない限り他人の個人番号の収集・保管を禁じています。同条各号は限定列挙であり、通常の取引における本人の同意は例外事由になりません。
選択肢4 → ❌誤り
個人番号カードは券面の氏名・住所・生年月日・顔写真により本人確認書類として使用できます。制限がかかるのは記載された個人番号を記録・収集する行為です。
背景知識
個人番号の利用範囲は番号法第9条が定め、提供は第19条、収集・保管は第20条が制限しています。この三つが連動して「法令が認めた事務以外では個人番号に触れない」という構造をつくっています。実務で紛らわしいのは、個人番号カードが本人確認書類としても機能する点です。カードを身分証として使う行為と、そこに記載された個人番号を控える行為は法的にまったく別で、後者だけが番号法の制限にかかります。
学習アドバイス
「カードを使う」と「番号を使う」を必ず分けて読んでください。試験でも実務でも、この二つを混同したことによる誤りが繰り返し問われます。番号を控える必要が本当にあるのか、その根拠法令は何かを毎回確認する習慣が有効です。
まとめ
- 個人番号カードは本人確認書類として使用できる
- 取引時確認で個人番号を記録することは認められない
- 本人の同意は第19条・第20条の制限を解除しない