【問315】個人情報保護士 練習問題|マイナンバー違法利用の罰則
問題文
個人番号関係事務に従事する従業員が、その業務に関して知り得た個人番号を、自己の不正な利益を図る目的で第三者に提供した。番号法上の扱いとして最も適切なものはどれか。
- 1.罰則は法人にのみ及び、提供した従業員が処罰されることはない
- 2.委員会の命令に違反した場合に限って刑事罰の対象となる
- 3.本人の同意がなくても提供できるため、違反にはあたらない
- 4.三年以下の拘禁刑又は百五十万円以下の罰金の対象となる
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
番号法第49条は行為者本人を処罰する規定です。第57条の両罰規定は、行為者を罰したうえでさらに法人に一億円以下の罰金刑を科すものであり、行為者の責任が法人に置き換わるわけではありません。
選択肢2 → ❌誤り
第34条の勧告・命令とその違反に対する第53条の罰則は、第49条とは別個の規定です。第49条は委員会の手続を経ることなく、その行為自体で成立します。
選択肢3 → ❌誤り
番号法第19条は各号に該当する場合を除き特定個人情報の提供を禁じており、不正な利益を図る目的での提供はいずれの号にも該当しません。本人の同意の有無は第49条の成否と関係がありません。
選択肢4 → ✅正解
番号法第49条は、個人番号利用事務等に従事する者(従事していた者を含む)が、業務に関して知り得た個人番号を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、三年以下の拘禁刑若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定めています。2025年6月施行の改正刑法により、法定刑の表記は「懲役」ではなく「拘禁刑」です。
背景知識
番号法の罰則は、個人情報保護法よりも重い法定刑を独自に定めている点に特徴があります。特定個人情報ファイルを正当な理由なく提供した場合は第48条で四年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金、業務上知り得た個人番号を不正な利益を図る目的で提供・盗用した場合は第49条で三年以下の拘禁刑又は百五十万円以下の罰金となり、いずれも併科があり得ます。さらに第57条の両罰規定により、これらの違反が業務に関して行われたときは法人にも一億円以下の罰金刑が科されます。第56条により国外犯にも適用されます。
学習アドバイス
罰則問題は「誰が」「どんな目的で」「何をしたか」の三点を条文の言葉どおりに押さえてください。第49条は『不正な利益を図る目的』という主観的要件が入る点、法定刑の表記が現在は『拘禁刑』である点が狙われます。
まとめ
- 第49条は不正な利益を図る目的での提供・盗用が要件
- 法定刑は三年以下の拘禁刑又は百五十万円以下の罰金
- 第57条の両罰規定で法人にも一億円以下の罰金