【問225】eco検定 練習問題|カルタヘナ議定書と遺伝子組み換え生物(LMO)の規制
問題文
生物多様性条約のカルタヘナ議定書が定める遺伝子組換え生物(LMO)の越境移動の規制について、その基本原則として最も適切なものはどれか。
- 1.遺伝子組換え技術の商用化を促し、国境を越えた自由な流通を最優先する貿易促進の枠組み
- 2.輸出国で安全性が承認された生物は、輸入国は無条件に受け入れなければならないとする原則
- 3.危険性が科学的に証明されるまでは、輸入国は一切の規制を行えないとする自由貿易の原則
- 4.生物多様性への悪影響が否定できない場合に、輸入国の事前同意を求める予防的な手続
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
議定書の目的はLMOの安全な移送・取扱い・利用の確保にあり、流通の促進を最優先するものではありません。生物多様性への悪影響の防止が優先されます。
選択肢2 → ❌誤り
輸入国は自国の判断でAIAの手続を行えます。他国での承認が輸入国の判断を拘束する仕組みは置かれていません。
選択肢3 → ❌誤り
議定書は、科学的な情報や知識が十分でないことを理由に輸入の決定を先延ばしにしたり制限したりすることを妨げないと定めており、証明を待つ立場ではありません。
選択肢4 → ✅正解
カルタヘナ議定書(2000年1月採択・2003年9月発効)は、環境への意図的な導入を目的とするLMOの最初の越境移動について、輸出者が輸入国に通報し、輸入国の事前の情報に基づく合意(AIA)を得ることを義務づけています(第7条〜第10条)。科学的な確実性が十分でなくても輸入国が措置をとれる、予防的アプローチが土台です。
背景知識
カルタヘナ議定書は生物多様性条約の補足協定です。コロンビアのカルタヘナで開かれた特別締約国会議では採択に至らず、2000年1月にカナダのモントリオールで開かれた再開会合で採択されたため、議定書の名と採択地が異なります。発効は2003年9月で、日本は同年11月に締結し、国内担保法としてカルタヘナ法が施行されています。環境への意図的な導入を目的とするLMOには事前の情報に基づく合意(AIA)手続が適用され、食料・飼料・加工用のLMO(LMO-FFP)は第11条に基づきバイオセーフティに関する情報交換センター(BCH)を通じた別の手続によります。
学習アドバイス
「議定書の名はカルタヘナ、採択地はモントリオール」というずれと、AIA(環境への意図的導入用)と第11条のBCH手続(食料・飼料・加工用)の対象の違いが狙われます。
まとめ
- カルタヘナ議定書はLMOの越境移動を規制する生物多様性条約の補足協定
- 環境への意図的な導入を目的とするLMOには輸入国の事前の情報に基づく合意(AIA)が必要
- 予防的アプローチが基礎で、科学的な確実性の欠如は措置をとらない理由にならない