【問90】eco検定 練習問題|遺伝子の多様性が失われるとき
生物多様性と自然共生社会 問10/20難易度B(標準)
問題文
生物多様性のうち「遺伝子の多様性」が失われることの意味に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.遺伝子の多様性が小さい集団は形質がそろっているため、環境が変化しても集団として安定して存続しやすくなる
- 2.遺伝子の多様性は種の数が減ったときにだけ問題となり、個体数が保たれている集団では失われることはない
- 3.遺伝子の多様性の損失は作物や家畜のように人が管理する集団に固有の問題であり、野生の集団では起こらない
- 4.同じ種の中の遺伝的な違いが小さくなると、病気や環境の変化に対して集団全体が一斉に弱くなり、存続が危うくなる
解説
正解は4。同じ種であっても個体ごとに性質は少しずつ異なり、その幅があるからこそ、ある病気が広がったり気候が変わったりしても、耐えられる個体が生き残って集団は続いていく。逆に個体どうしの遺伝的な違いが小さくなると、集団全体が同じ弱点を共有することになり、一つの要因で一斉に打撃を受ける。これが遺伝子の多様性の損失が問題視される理由である。
1は誤り。形質がそろっていることは、環境が安定している間は目立たないが、変化が起きたときに全個体が同じように影響を受けるという弱さになる。安定して存続しやすくなるという記述は説明が逆である。2は誤り。遺伝子の多様性は種の数とは別のレベルの多様性であり、生息地が分断されて集団どうしの行き来が絶たれると、個体数が残っていても集団の内部で失われていく。3は誤り。同じ品種ばかりを育てる農地で問題になるのは確かだが、野生の集団でも小さく孤立すれば近い血縁どうしの繁殖が続き、同じことが起こる。
種の絶滅だけが生物多様性の損失ではない、という点がこの論点の要である。同じ種が各地に残っていても、地域ごとの系統が失われれば多様性は目減りしている。