【問83】eco検定 練習問題|生態系ネットワークの考え方
生物多様性と自然共生社会 問3/20難易度B(標準)
問題文
生物多様性の保全において用いられる「生態系ネットワーク(エコロジカル・ネットワーク)」の考え方の説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.希少な生物を動物園や植物園などの施設で計画的に飼育・栽培し、施設どうしで個体を移動させて繁殖させる取組を指す
- 2.保護区の内部と外部との生物の行き来を遮断し、区域の中だけで生態系が完結するようにして保全する考え方である
- 3.分断された生息地を緑地や水辺などでつなぎ、生物の移動や交流を確保することで地域全体の生息環境を保つ考え方である
- 4.都市部に点在する小規模な緑地を一箇所に集約して大規模な公園として整備し、生物の生息地を確保する考え方である
解説
正解は3。道路や宅地の造成などによって生息地が細かく分断されると、個々の面積が小さくなるだけでなく、生物が行き来できなくなり、地域ごとに孤立した集団が残される。生態系ネットワークは、まとまりのある自然地域を核としながら、河川や樹林帯、緑地などをつなぎ目として活用して生息地どうしを結び、生物の移動や交流を確保することで、地域全体としてまとまりのある生息環境を保とうとする考え方である。
1は誤り。施設で飼育・栽培しながら種を維持する取組は、生息地の外で保全を行う考え方にあたるものであり、生息地どうしをつないで保全する生態系ネットワークとは方向性が異なる。2は誤り。生態系ネットワークは区域の内外のつながりを確保することに主眼があり、行き来を遮断して区域内で完結させるという記述は趣旨が逆である。4は誤り。緑地を一箇所に集約する発想は、点在する緑地をつなぎ合わせて連続性を持たせるという生態系ネットワークの考え方とは異なる。
保全は「面積を確保すること」だけでなく「つながりを確保すること」でもある、という視点を押さえておきたい。