【問219】知的財産管理技能検定2級 練習問題|実用新案権の無効理由
実用新案法・種苗法 問22/23難易度C(難しい)
問題文
実用新案登録の無効理由に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.無審査主義のため、実用新案登録には無効審判の制度自体が存在しない。
- 2.実用新案技術評価書を取得しなかったことが、登録の無効理由となる。
- 3.新規性や進歩性を欠く考案の登録は、無効審判により無効とされ得る。
- 4.公序良俗を害するおそれがある考案でも、登録が無効となることはない。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
無効審判制度が存在しないとする点が誤りです。実用新案法第37条は実用新案登録無効審判を定めており、無審査で登録されるからこそ事後的に無効を争う手続が用意されています。
選択肢2 → ❌誤り
評価書の未取得を無効理由とする点が誤りです。技術評価書は第29条の2の権利行使の要件にすぎず、第37条第1項の無効理由には含まれません。
選択肢3 → ✅正解
正しい記述です。実用新案法第37条第1項第2号は、実用新案登録が第3条(新規性・進歩性等の登録要件)の規定に違反してされたときを無効理由として掲げています。
選択肢4 → ❌誤り
無効とならないとする点が誤りです。第4条は公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある考案について登録を受けられないと定め、その違反は第37条第1項の無効理由に当たります。
背景知識
実用新案登録は基礎的要件の点検を受けるだけで実体審査を経ずに登録されるため、新規性や進歩性を欠いたまま登録されることが構造的に起こり得ます。その是正手段が実用新案法第37条の実用新案登録無効審判で、同条第1項は補正要件違反、第3条等の登録要件違反、条約違反、明細書等の記載要件違反、冒認出願、後発的無効理由、訂正の要件違反といった無効理由を列挙しています。無効審判は実用新案権の消滅後でも請求でき、請求項ごとに請求することもできます。無効理由が特許法より限定されているという理解は誤りです。
学習アドバイス
「無審査主義だから無効理由が少ない」という直感は誤りで、むしろ第37条は特許法とほぼ並行した無効理由を並べています。第37条第1項の各号を機能ごとに整理しておきましょう。
まとめ
- 無効理由は実用新案法第37条第1項各号に列挙される
- 第3条の登録要件(新規性・進歩性等)違反は無効理由に当たる
- 技術評価書の未取得は権利行使の問題であり無効理由ではない