【問218】知的財産管理技能検定2級 練習問題|実用新案権の先使用権
実用新案法・種苗法 問21/23難易度B(標準)
問題文
実用新案権における先使用による通常実施権(先使用権)について、最も適切な記述はどれか。
- 1.先使用権に範囲の制限はなく、事業規模を自由に拡大して実施できる。
- 2.実施又は準備をしている考案及び事業の目的の範囲内で実施できる。
- 3.先使用権者であっても、実施には実用新案権者の許諾が必要となる。
- 4.出願後・登録前に実施を開始した者にも、当然に先使用権が認められる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
無制限とする点が誤りです。先使用権の効力は、実施又は準備をしている考案及び事業の目的の範囲内に限られます。
選択肢2 → ✅正解
正しい記述です。実用新案法第26条が準用する特許法第79条により、実用新案登録出願の際に現に日本国内でその考案の実施である事業をしている者又はその準備をしている者は、実施又は準備をしている考案及び事業の目的の範囲内で通常実施権を有します。
選択肢3 → ❌誤り
許諾を必要とする点が誤りです。先使用権は法律上当然に発生する通常実施権であり、権利者の許諾を要しません。
選択肢4 → ❌誤り
基準時点の理解が誤りです。要件となるのは実用新案登録出願の際に事業をしているか準備をしていることであり、出願後に実施を開始しても先使用権は発生しません。
背景知識
先使用権は、出願前から独自に同じ技術を実施していた者を、後から登録された権利によって突然排除しないための調整制度です。実用新案法は独自の条文を置かず、第26条で特許法第79条を準用しています。要件は、考案の内容を知らないで自らその考案をしたか、そうした者から知得したうえで、実用新案登録出願の際に現に日本国内でその考案の実施である事業をしているか、事業の準備をしていることです。基準時点が「登録時」ではなく「出願の際」である点が実務でも試験でも狙われます。
学習アドバイス
先使用権は「出願の際」が基準時点であることと、効力範囲が「実施又は準備をしている考案及び事業の目的の範囲内」に限られることの2点を条文の文言のまま押さえてください。
まとめ
- 根拠は実用新案法第26条が準用する特許法第79条
- 要件の基準時点は設定登録時ではなく実用新案登録出願の際
- 効力は実施又は準備をしている考案及び事業の目的の範囲内に限られる