【問216】知的財産管理技能検定2級 練習問題|実用新案権の効力の及ぶ行為
実用新案法・種苗法 問19/23難易度A(易しい)
問題文
実用新案権の効力が及ぶ「実施」行為の範囲について、最も適切なものはどれか。
- 1.輸入には効力が及ばず、国内での製造・使用・譲渡・貸渡しに限られる。
- 2.効力は物品の製造と使用に限られ、譲渡や貸渡しには全く及ばない。
- 3.効力は登録実用新案に係る物品の輸出のみに及び、輸入には及ばない。
- 4.製造・使用・譲渡のほか、輸出及び輸入にも実用新案権の効力が及ぶ。
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
輸入を除外する点が誤りです。実用新案法第2条第3項の「実施」には輸入が明記されており、輸入品に対しても実用新案権の効力は及びます。
選択肢2 → ❌誤り
譲渡・貸渡しを除外する点が誤りです。譲渡も貸渡しも、さらにその申出(譲渡・貸渡しのための展示を含む)も第2条第3項の「実施」に含まれます。
選択肢3 → ❌誤り
輸出のみに限るとする点が誤りです。輸出と輸入はいずれも第2条第3項の「実施」に列挙されており、どちらか一方に限定されることはありません。
選択肢4 → ✅正解
正しい記述です。実用新案法第2条第3項は「実施」を、物品を製造し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為と定義しており、第16条により実用新案権者は業としてこれらを行う権利を専有します。
背景知識
実用新案権の効力範囲は、実用新案法第16条の「業として登録実用新案の実施をする権利を専有する」と、第2条第3項の「実施」の定義の組合せで決まります。実用新案は物品の形状・構造・組合せを保護対象とするため、「実施」も物品に関する行為に限られ、特許法にあるような方法の使用は含まれません。一方で製造・使用・譲渡・貸渡し・輸出・輸入・譲渡等の申出という行為の広がりは特許法とほぼ並行しています。特許法が「生産」と呼ぶ行為を実用新案法では「製造」と呼ぶなど、用語の対応関係にも注意が必要です。
学習アドバイス
「実施」の定義条文(実用新案法第2条第3項)を丸ごと言えるようにしておくと、効力の及ぶ範囲を問う設問はすべて処理できます。特許法第2条第3項第1号と並べて、用語の違いと保護対象の違いを整理しましょう。
まとめ
- 実施=製造・使用・譲渡・貸渡し・輸出・輸入・譲渡等の申出(実用新案法第2条第3項)
- 輸入も輸出も実用新案権の効力が及ぶ行為に含まれる
- 効力の根拠条文は第16条であり、第15条は存続期間の規定