【問215】知的財産管理技能検定2級 練習問題|農業者による自家増殖の例外
実用新案法・種苗法 問18/23難易度B(標準)
問題文
現行の種苗法における農業者の自家増殖の取扱いについて、最も適切な説明は次のうちどれか。
- 1.登録品種であっても、自家増殖であれば常に許諾なく行うことができます。
- 2.一般品種の自家増殖にも、育成者権者の許諾を得ることが必要とされます。
- 3.登録品種の自家増殖には、原則として育成者権者の許諾が必要です。
- 4.登録品種のうち、農林水産省令で指定された作物だけが許諾の対象です。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
誤りです。令和2年改正前は自家増殖を育成者権の効力が及ばない範囲とする規定がありましたが、この規定は削除され、令和4年4月1日以降、登録品種の自家増殖には許諾が必要です。
選択肢2 → ❌誤り
誤りです。一般品種(育成者権が消滅した品種、品種登録されたことのない品種、在来種等)にはそもそも育成者権が存在しないため、従前どおり自由に自家増殖できます。
選択肢3 → ✅正解
正解です。令和2年改正で自家増殖に関する旧第21条第2項が削除され、令和4年4月1日以降、登録品種の増殖は自家増殖を含めて育成者権者の許諾を得て行う必要があります(種苗法第20条第1項、第21条第1項参照)。
選択肢4 → ❌誤り
誤りです。省令で指定された作物のみ自家増殖に許諾を要するという仕組みは令和2年改正前のものです。現行法では登録品種全般について許諾が必要です。
背景知識
改正前の種苗法では、農業者が収穫物の一部を次期作の種苗として用いる自家増殖について、育成者権の効力が及ばないとする規定が置かれ、農林水産省令で指定された作物だけが例外的に許諾を要するという建て付けでした。令和2年の改正でこの規定は削除され、令和4年4月1日に全面施行されています。現在は登録品種の増殖は自家増殖を含めて育成者権者の許諾が必要で、育成者権者が種苗の増殖実態を把握し、海外流出に対応できるようにすることが狙いです。なお一般品種は育成者権の対象外なので従前どおり自由に自家増殖できます。
学習アドバイス
この論点は令和2年改正の前後で結論が正反対になります。古い教材の『原則自由・指定作物のみ制限』という記述は現行法では誤りなので注意してください。
まとめ
- 令和4年4月1日以降、登録品種の自家増殖には育成者権者の許諾が必要
- 改正前の『原則自由・省令指定作物のみ制限』という枠組みは廃止された
- 一般品種は育成者権の対象外なので自家増殖は自由