【問214】知的財産管理技能検定2級 練習問題|育成者権の侵害と救済
実用新案法・種苗法 問17/23難易度C(難しい)
問題文
育成者権の侵害に対する救済について、最も適切な説明は次のうちどれか。
- 1.差止請求のみが認められ、損害賠償を請求することはできません。
- 2.差止請求に際して、侵害品の廃棄をあわせて請求することができます。
- 3.侵害は刑事罰の対象とならず、民事上の救済だけが用意されています。
- 4.損害賠償を求めるには、権利者が侵害者の過失を立証する必要があります。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
誤りです。損害賠償請求も認められます。種苗法第34条は損害額の推定等の規定を置いており、賠償請求が可能であることを前提としています。
選択肢2 → ✅正解
正解です。種苗法第33条第2項により、差止請求をするに際し、侵害の行為を組成した種苗・収穫物・加工品や侵害の行為に供した物の廃棄その他侵害の予防に必要な行為を請求できます。
選択肢3 → ❌誤り
誤りです。種苗法第67条は、育成者権又は専用利用権を侵害した者を10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定めています。
選択肢4 → ❌誤り
誤りです。種苗法第35条は、他人の育成者権又は専用利用権を侵害した者はその侵害の行為について過失があったものと推定すると定めており、立証の負担は侵害者側に転換されています。
背景知識
育成者権の侵害に対する救済は、他の知的財産権と同様に多層的です。民事では種苗法第33条第1項の差止請求(侵害の停止・予防)に加え、同条第2項で侵害品や侵害に供した物の廃棄などの予防措置を請求できます。損害賠償については第34条が損害額の推定等を、第35条が過失の推定を置き、権利者の立証負担を軽減しています。さらに第67条は侵害を刑事罰の対象とし、第44条では信用回復の措置も定められています。
学習アドバイス
差止(第33条第1項)と廃棄等の予防措置(同条第2項)は別条項です。廃棄はあくまで差止請求に付随して求めるものである点を意識してください。
まとめ
- 差止請求に際し侵害品等の廃棄その他の予防措置を請求できる(第33条第2項)
- 損害賠償も可能で、損害額の推定(第34条)と過失の推定(第35条)がある
- 侵害は刑事罰の対象にもなる(第67条)