【問213】知的財産管理技能検定2級 練習問題|育成者権の共有
実用新案法・種苗法 問16/23難易度B(標準)
問題文
育成者権が共有に係る場合について、最も適切な説明は次のうちどれか。
- 1.各共有者は、他の共有者の同意を得なければ持分を譲渡できません。
- 2.各共有者は、契約に別段の定めがなくても単独では登録品種を利用できません。
- 3.各共有者の持分は常に均等で、これと異なる定めは認められていません。
- 4.各共有者は、他の共有者の同意なく第三者に通常利用権を許諾できます。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
正解です。種苗法第23条第1項は、育成者権が共有に係るとき、各共有者は他の共有者の同意を得なければその持分を譲渡し、又は持分を目的として質権を設定することができないと定めています。
選択肢2 → ❌誤り
誤りです。種苗法第23条第2項は、契約で別段の定めをした場合を除き、各共有者は他の共有者の同意を得ないでその登録品種等を利用できると定めています。自己利用は原則自由です。
選択肢3 → ❌誤り
誤りです。種苗法に持分割合を均等に固定する規定はありません。民法第250条も相等しいものと推定するにとどまり、異なる割合を定めることは可能です。
選択肢4 → ❌誤り
誤りです。種苗法第23条第3項により、専用利用権の設定も通常利用権の許諾も、他の共有者の同意がなければできません。
背景知識
共有育成者権については種苗法第23条が3つのルールを置いています。第1項は持分の譲渡と持分への質権設定に他の共有者の同意を要求し、第3項は専用利用権の設定と通常利用権の許諾にも同意を要求します。これらはいずれも新たな第三者が権利関係に入り込む場面で、他の共有者の利益に影響するためです。これに対し第2項は、契約で別段の定めをした場合を除き、各共有者が同意なく登録品種等を利用できるとしています。特許法第73条とほぼ同じ構造です。
学習アドバイス
『第三者を関与させる行為は同意が必要、自分で使うだけなら同意は不要』という切り分けで覚えると、特許権の共有(特許法第73条)とまとめて整理できます。
まとめ
- 持分の譲渡・持分への質権設定には他の共有者の同意が必要(第23条第1項)
- 自己による登録品種等の利用は原則として同意不要(同条第2項)
- 専用利用権の設定・通常利用権の許諾には同意が必要(同条第3項)