【問212】知的財産管理技能検定2級 練習問題|育成者権の移転と登録
実用新案法・種苗法 問15/23難易度A(易しい)
問題文
育成者権の移転について、最も適切な説明は次のうちどれか。
- 1.育成者権は相続によってのみ移転し、契約による譲渡での移転は認められません。
- 2.育成者権の譲渡には、公証人による証書の認証が必ず必要とされています。
- 3.育成者権は個人にのみ移転でき、法人が譲り受けることは認められません。
- 4.育成者権の譲渡による移転は、登録しなければその効力を生じません。
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
誤りです。育成者権は財産権であり、契約による譲渡でも移転します。種苗法第32条第1項第1号は、相続その他の一般承継以外の移転について登録を効力発生要件としており、譲渡による移転があり得ることを前提としています。
選択肢2 → ❌誤り
誤りです。種苗法は公証人の認証を要求していません。効力を生じさせるために必要とされるのは品種登録簿への登録です(種苗法第32条第1項第1号)。
選択肢3 → ❌誤り
誤りです。種苗法に譲受人を自然人に限る規定はなく、法人も育成者権者となれます。実際に種苗会社や公的研究機関が育成者権を保有しています。
選択肢4 → ✅正解
正解です。種苗法第32条第1項第1号は、育成者権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く)は登録しなければその効力を生じないと定めています。なお相続等の一般承継の場合は登録ではなく、遅滞なく農林水産大臣に届け出ます(同条第2項)。
背景知識
育成者権は譲渡や質権設定の対象となる財産権です。もっとも、権利の帰属を公示する必要があるため、種苗法第32条第1項は、育成者権の移転や専用利用権の設定等について『登録しなければ、その効力を生じない』と定めています。これは対抗要件ではなく効力発生要件であり、登録がなければ当事者間でも移転の効力は生じません。ただし相続その他の一般承継による移転は例外で、この場合は登録ではなく農林水産大臣への届出が求められます(同条第2項)。
学習アドバイス
種苗法第32条第1項の『効力を生じない』は対抗要件ではなく効力発生要件です。特許権の移転(特許法第98条第1項)と同じ構造なので、あわせて押さえてください。
まとめ
- 育成者権は譲渡により移転でき、法人も権利者となれる
- 譲渡による移転は登録しなければ効力を生じない(効力発生要件)
- 相続その他の一般承継による移転は登録ではなく届出による