【問201】知的財産管理技能検定2級 練習問題|実用新案登録に基づく特許出願の取扱い
問題文
実用新案登録に基づく特許出願に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.実用新案権を放棄しなくても、実用新案登録に基づく特許出願をすることができる。
- 2.実用新案登録に基づく特許出願の制度はなく、通常の特許出願をするほかない。
- 3.実用新案登録に基づく特許出願をするには、必ず新たな図面を作成して添付しなければならない。
- 4.実用新案登録に基づく特許出願は、もとの実用新案登録出願の時にしたものとみなされる。
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
特許法第46条の2第1項後段は「その実用新案権を放棄しなければならない」と定めており、実用新案権の放棄はこの出願の要件です。放棄せずに出願することはできません。
選択肢2 → ❌誤り
特許法第46条の2第1項が、実用新案権者が自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることを認めています。制度自体が存在しないとする点が誤りです。
選択肢3 → ❌誤り
特許出願の願書に添付するのは特許法第36条第2項にいう「必要な図面」であり、もとの実用新案登録の図面をそのまま用いることができます。新たな図面の作成を常に義務づける規定はありません。
選択肢4 → ✅正解
特許法第46条の2第2項により、願書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面の記載事項が、基礎とした実用新案登録の願書に添付した書面に記載された事項の範囲内にあるものについて、その実用新案登録出願の時にしたものとみなされます。
背景知識
実用新案登録に基づく特許出願は、特許法第46条の2が定める制度です。実用新案は無審査で早期に登録される反面、権利の安定性に欠け存続期間も出願から10年と短いため、審査を経た特許へ乗り換える道を用意したものです。出願できるのは原則として実用新案登録出願の日から3年以内で、実用新案技術評価の請求があった後など、同条第1項各号に当たる場合は認められません。出願の際には実用新案権を放棄しなければならず、同一の考案について二重に権利が残ることはありません。もとの明細書等に記載された範囲内であれば実用新案登録出願の時にしたものとみなされ、その間の他人の出願や公開によって新規性・先願で不利になりません。
学習アドバイス
根拠条文は実用新案法ではなく特許法第46条の2である点をまず押さえてください。そのうえで「原則3年以内」「実用新案権の放棄」「出願日の遡及」の3点をセットで覚えると、2級の事例問題でも判断に迷いません。
まとめ
- 根拠は特許法第46条の2であり、実用新案法の条文ではない
- 出願時に実用新案権の放棄が必要で、時期は原則として実用新案登録出願の日から3年以内
- もとの明細書等に記載された範囲内であれば、実用新案登録出願の時にしたものとみなされる