【問226】知的財産管理技能検定3級 練習問題|育成者権の育種段階における保護
実用新案法・種苗法 問18/20難易度B(標準)
問題文
D農業研究所が新しい野菜品種を育種している途中で、その中間段階の植物を第三者が無断で持ち出した。品種登録の出願はまだしていない。種苗法上の取扱いとして、最も適切なものはどれか。
- 1.育種を開始した時点で育成者権が発生し、直ちに侵害を主張することができる。
- 2.育種段階の情報は、種苗法により自動的に営業秘密として保護される。
- 3.育成者権は品種登録により発生するため、育種段階では権利を主張できない。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
育成者権の発生には品種登録が必要であり(種苗法第19条第1項)、育種の開始によって自動的に発生することはありません。なお出願後は、出願公表があった後に書面を提示して警告すれば補償金請求権が生じます(第14条)。
選択肢2 → ❌誤り
種苗法に営業秘密を保護する規定はありません。営業秘密として守るには、不正競争防止法上の秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を自ら満たすよう管理する必要があります。
選択肢3 → ✅正解
種苗法第19条第1項は「育成者権は、品種登録により発生する」と定めています。品種登録の出願すらしていない育種段階では育成者権が存在せず、種苗法に基づく差止請求等はできません。
背景知識
種苗法第19条第1項は「育成者権は、品種登録により発生する」と定めており、登録前の育種段階に育成者権は及びません。出願後については、出願公表があった後に出願品種の内容を記載した書面を提示して警告をすれば補償金請求権が生じますが(第14条)、これも出願していることが前提です。したがって育種中の材料や交配情報は、営業秘密として不正競争防止法の要件を満たすよう管理するなどの自衛が必要になります。
学習アドバイス
権利がいつ発生するかを制度ごとに整理しましょう(特許権=設定登録、育成者権=品種登録、著作権=創作の時)。
まとめ
- 育成者権は品種登録により発生(種苗法第19条第1項)
- 育種段階には種苗法の権利が及ばない
- 出願公表後は補償金請求権(第14条)、それ以前は営業秘密管理で守る