【問224】知的財産管理技能検定3級 練習問題|実用新案技術評価書の要求と侵害訴訟
実用新案法・種苗法 問16/20難易度B(標準)
問題文
C社は、自社の実用新案権をB社が侵害していると考え、差止請求などの権利行使を検討している。実用新案法上の取扱いとして、最も適切なものはどれか。
- 1.実用新案権は無審査で登録されるため、権利行使そのものが法律上認められていない。
- 2.実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、権利を行使することができない。
- 3.実用新案技術評価書がなくても、警告なしに直ちに差止請求をすることができる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
実用新案権も差止請求権・損害賠償請求権を伴う権利です。無審査で登録される点は、権利行使を禁じる理由ではなく、実用新案法第29条の2が技術評価書の提示という条件を課す理由にあたります。
選択肢2 → ✅正解
実用新案法第29条の2は、実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、侵害者等に対して権利を行使することができないと定めています。評価書を提示しない警告に基づく差止請求や損害賠償請求は認容されません。
選択肢3 → ❌誤り
実用新案法第29条の2により、技術評価書の提示と警告が権利行使の前提とされています。無審査で登録された瑕疵ある権利の行使によって第三者が不測の不利益を受けるのを防ぐ趣旨です。
背景知識
実用新案は実体審査を経ずに登録されるため、登録されただけでは権利の有効性が担保されていません。そこで実用新案法は、特許庁審査官が新規性・進歩性等を評価する実用新案技術評価書の制度を置いています(第12条)。第29条の2は、この評価書を提示して警告した後でなければ権利を行使できないと定め、無審査主義と第三者保護のバランスを取っています。さらに第29条の3は、権利行使後に登録が無効となった場合に権利者が相手方の損害を賠償する責任を負うことも定めています。
学習アドバイス
実用新案は「無審査で早く登録できるが、行使するには技術評価書が要る」という対比で覚えると定着します。
まとめ
- 権利行使には技術評価書の提示と警告が必要(第29条の2)
- 無審査登録による第三者の不測の不利益を防ぐ趣旨
- 登録が無効になれば権利者が賠償責任を負うことがある(第29条の3)