【問37】知的財産管理技能検定3級 練習問題|先使用権
特許法 問37/40難易度B(標準)
問題文
特許法79条の先使用権(先使用による通常実施権)に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.先使用権は特許出願後に発明の実施を開始した者に認められる
- 2.出願の際に実施又は準備をしている事業の範囲で認められる
- 3.先使用権を主張するには特許権者の承諾が必要である
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
先使用権は出願前(出願の際)の実施又は実施の準備を要件とする権利です。出願後に実施を開始した者には認められません。
選択肢2 → ✅正解
特許法79条は、特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又はその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有すると規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
先使用権は法定の実施権であり、特許権者の承諾は必要ありません。
背景知識
先使用権(特許法79条)は、特許出願前から独自に発明を実施している者や事業準備をしている者の地位を保護する法定の通常実施権です。要件は、(1)特許出願に係る発明の内容を知らないで自ら発明したこと(又はその者から知得したこと)、(2)特許出願の際現に日本国内で実施又は事業の準備をしていること、の2点です。これらの要件を満たせば、特許権者の承諾なしに無償で実施を継続できますが、実施範囲は「現に実施・準備をしている発明及び事業の目的の範囲内」に限定されます。先使用権は営業秘密として管理している発明について、他人に特許を取られても実施を継続できる重要な権利で、企業の知財戦略上、出願するか営業秘密化するかの判断材料となります。
学習アドバイス
先使用権の要件と範囲を正確に覚えましょう。自社で独自に発明した技術を営業秘密として管理する場合に重要な制度です。
まとめ
- 先使用権は特許法79条が規定する法定実施権
- 出願時に実施又は準備していることが要件
- 実施範囲は事業の目的の範囲内に限定