【問36】知的財産管理技能検定3級 練習問題|特許権侵害への対応
特許法 問36/40難易度B(標準)
問題文
特許権者A社は、B社が自社の特許発明を無断で実施していることを発見した。A社がB社に対して取り得る対応として、最も適切なものはどれか。
- 1.刑事告訴のみが認められており、民事上の救済は受けられない
- 2.警告書の送付、差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求等の複数の対応が可能である
- 3.特許庁の仲介を経由しなければ何らの請求もすることができない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
特許権侵害には民事上の救済(差止請求、損害賠償請求等)と刑事罰(特許法196条等)の両方が用意されています。
選択肢2 → ✅正解
特許権侵害に対する対応としては、(1)警告書送付、(2)差止請求(100条)、(3)損害賠償請求(民709条)、(4)不当利得返還請求(民703条)、(5)信用回復措置請求(106条)、(6)刑事告訴(196条)などが可能です。
選択肢3 → ❌誤り
特許権侵害に対する請求は裁判所に直接提起でき、特許庁の仲介は必要ありません。
背景知識
特許権侵害への対応には複数の選択肢があります。民事的救済としては、差止請求権(100条)、損害賠償請求権(民法709条、特許法102条・103条)、不当利得返還請求権(民法703条)、信用回復措置請求権(特許法106条)があります。信用回復措置には謝罪広告の掲載等が含まれます。刑事的制裁としては、特許権侵害罪(特許法196条)は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金に処されます。法人両罰規定(201条)により法人には3億円以下の罰金が科されます。実務上は、まず警告書の送付から始め、交渉で解決しない場合に訴訟提起する流れが一般的です。また、無効審判の提起や、侵害訴訟における無効の抗弁(104条の3)など、被告側の防御手段もあります。
学習アドバイス
特許権侵害への救済手段を体系的に整理しましょう。民事・刑事の区別、各請求の根拠条文(差止=100条、損賠=民709条)を覚えましょう。
まとめ
- 民事救済は差止・損賠・不当利得・信用回復
- 刑事罰は10年以下の懲役/1000万円以下の罰金(196条)
- 警告書送付を経て訴訟提起が実務上一般的