【問37】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|公序良俗違反
問題文
公序良俗違反に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.公序良俗違反の法律行為は取消しうる行為である。
- 2.公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は無効である。
- 3.公序良俗違反は社会的妥当性を欠く犯罪行為に限定される。
- 4.公序良俗違反による無効は当事者間の合意で有効化することができる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法90条により公序良俗違反の法律行為は「無効」であり、取消しうる行為ではありません。当然に効力を生じません。
選択肢2 → ✅
民法90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする」と規定しています。社会的妥当性を欠く法律行為を無効とすることで、社会秩序を維持する規定です。
選択肢3 → ❌
公序良俗違反は犯罪行為に限定されません。判例上、賭博契約、性的搾取契約、暴利行為(著しい不当利得)、人格的自由を不当に制限する契約など広く認められます。
選択肢4 → ❌
公序良俗違反は強行法規違反に類する重大な無効事由であり、当事者の合意では有効化できません。これを認めると公序良俗の保護が空洞化するためです。
背景知識
公序良俗(民法90条)は、私的自治の原則の最終的な限界を画する規定です。「公の秩序」は社会の一般的利益、「善良の風俗」は社会の一般的道徳観念を指すと解釈されますが、両者は密接に関連します。判例は具体的事案で公序良俗違反を認定しており、(1)犯罪に関する契約(殺人請負、賄賂など)、(2)倫理に反する契約(性風俗関連、不倫の対価など)、(3)暴利行為(著しく不公正な利益取得)、(4)人格的自由を制限する契約(過度な競業避止、夜間外出禁止など)、(5)経済的弱者の搾取などが該当します。2017年改正では暴利行為の明文化は見送られましたが、判例法理として確立しています。公序良俗違反の効果は「無効」で当事者間の合意では治癒されません。
学習アドバイス
民法90条の条文を正確に覚え、公序良俗違反の典型例(賭博、暴利行為、性的搾取など)を整理しましょう。公序良俗違反は「無効」(取消しではない)、「合意で治癒不可」という点が頻出です。給付済みの場合の不当利得返還(民法703条以下)・不法原因給付(708条)との関係も応用問題で問われます。
まとめ
- 公序良俗違反の法律行為は無効(90条)
- 暴利行為や倫理に反する契約も含む
- 当事者の合意では有効化できない