【問33】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|消滅時効の期間
問題文
消滅時効の期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.債権の消滅時効は権利行使ができることを知った時から10年間行使しないときに完成する。
- 2.債権は権利行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効消滅する。
- 3.債権の消滅時効期間は商法の規定により一律5年と定められている。
- 4.不法行為による損害賠償請求権は被害者が損害を知った時から20年で時効消滅する。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
2017年改正により債権の消滅時効は知った時から「5年」、行使できる時から「10年」となりました(民法166条1項)。10年のみではありません。
選択肢2 → ✅
民法166条1項により債権は(1)権利行使できることを知った時から5年間、または(2)権利行使できる時から10年間のいずれか早く経過した方で消滅時効が完成します(主観的起算点と客観的起算点の二重構造)。
選択肢3 → ❌
2017年改正前は商事債権5年(旧商法522条)、民事債権10年でしたが、改正により民商法統一されました。商法522条は廃止されています。
選択肢4 → ❌
民法724条により、不法行為による損害賠償請求権は被害者が損害および加害者を知った時から「3年」(または人の生命・身体侵害は5年)、不法行為時から20年で消滅します。20年は知った時からではなく不法行為時からです。
背景知識
2017年改正により消滅時効制度は大きく変更されました。改正前は債権10年(民法167条1項)、商事債権5年、職業別短期消滅時効(料理・宿泊1年、医師3年など)が乱立していましたが、改正後は原則として(1)主観的起算点(知った時)から5年、(2)客観的起算点(行使できる時)から10年に統一されました(民法166条1項)。商事債権の特則(旧商法522条)も廃止され民法に統一されました。生命・身体侵害による損害賠償請求権は特則として「主観5年、客観20年」とされ、被害者保護が強化されています(民法167条、724条の2)。不法行為については(1)知った時から3年、(2)不法行為時から20年(生命身体侵害は知った時から5年)です(民法724条、724条の2)。
学習アドバイス
2017年改正で時効期間は大きく変わりました。「主観5年/客観10年」が原則、「不法行為:3年/20年(生命身体は5年)」「生命身体侵害:5年/20年」と整理しましょう。改正前の知識(10年など)は不正解になるため要注意です。
まとめ
- 債権時効は知った時から5年・行使可能時から10年(166条1項)
- 不法行為時効は3年・20年(724条、生命身体5年)
- 商事債権の特則は2017年改正で廃止