【問32】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|期限の利益
問題文
期限の利益に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.期限の利益は債権者のためにのみ認められる。
- 2.期限の利益は原則として債務者のために定めたものと推定される。
- 3.期限の利益は債務者が破産しても失われない。
- 4.期限の利益は当事者の意思とは無関係に放棄できない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
期限の利益は債務者のために認められるのが通常で(支払い猶予など)、民法136条1項は債務者のためのものと推定する旨を規定しています。
選択肢2 → ✅
民法136条1項により、期限は債務者の利益のために定めたものと推定されます。これは履行期限まで履行を猶予される利益(期限の利益)が債務者にあることを意味します。
選択肢3 → ❌
民法137条により、債務者が破産手続開始決定を受けたとき、債務者は期限の利益を主張できません(期限の利益の喪失)。担保滅失・減少、担保供与義務不履行も同様の効果を生じます。
選択肢4 → ❌
民法136条2項により、期限の利益は放棄することができます。ただし放棄により相手方の利益を害することはできません(例:相手方の利息収入を害する場合は期限までの利息を払って放棄)。
背景知識
期限の利益とは、期限が到来するまで履行しなくてよいという債務者の利益のことです。民法136条1項により債務者の利益と推定されますが、利息付金銭消費貸借では債権者(利息収入)と債務者(返済猶予)双方に期限の利益があります。期限の利益の喪失事由は民法137条に規定され、(1)破産手続開始決定、(2)担保の滅失・損傷・減少、(3)担保供与義務不履行が該当します。これらの場合、債務者は期限の利益を失い、債権者は直ちに履行を請求できます。実務では金銭消費貸借契約に「期限の利益喪失条項」を設けることが一般的で、債務不履行・倒産・差押え等で期限の利益を失う旨を明文化します。期限の利益の放棄は136条2項で認められますが、相手方の利益を害してはなりません。
学習アドバイス
期限の利益喪失事由(民法137条)の3つを必ず暗記しましょう。「破産・担保滅失・担保供与義務不履行」と覚えてください。実務上の期限の利益喪失条項も理解しておくと応用が利きます。期限の利益の放棄(136条2項)とその制限も頻出です。
まとめ
- 期限の利益は債務者のためと推定(136条1項)
- 破産・担保滅失等で期限の利益喪失(137条)
- 期限の利益は放棄可能だが相手方害不可