【問26】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|強迫による意思表示
問題文
強迫による意思表示に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.強迫による意思表示は当然に無効となる。
- 2.強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗することができる。
- 3.第三者による強迫の場合、相手方が強迫の事実を知らなければ取り消すことはできない。
- 4.強迫による取消しは表意者の意思によらず自動的に効果が発生する。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
強迫による意思表示は当然無効ではなく取消し可能です(民法96条1項)。取消権の行使が必要です。
選択肢2 → ✅
詐欺と異なり、強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗できます。民法96条3項は詐欺のみを対象としており、強迫は含まれません。これは強迫被害者の保護を取引安全より重視した結果です。
選択肢3 → ❌
強迫の場合、第三者による強迫であっても、相手方の主観に関係なく取り消すことができます(民法96条2項は詐欺のみ規定)。強迫被害者は相手方の悪意有過失に関わらず保護されます。
選択肢4 → ❌
強迫による意思表示も取消権の行使が必要です(民法123条:取消しは相手方への意思表示で行う)。自動的に効果が発生するわけではありません。
背景知識
強迫とは、害悪を告知して相手方を畏怖させ、その畏怖に基づいて意思表示をさせることをいいます。強迫は詐欺と並んで瑕疵ある意思表示として取消事由となりますが(民法96条1項)、民法は強迫被害者をより手厚く保護しています。具体的には、(1)第三者による強迫でも相手方の悪意有過失を問わず取消可能、(2)善意無過失の第三者にも取消しを対抗可能、という点で詐欺と異なります。これは、強迫は表意者の意思形成過程への侵害が詐欺より深刻であり、被害者保護の必要性が高いとの考慮によります。実務上、強迫の認定は厳格で、社会通念上不当な脅迫があり、それにより相手方が畏怖して意思表示をした因果関係が必要です。
学習アドバイス
詐欺と強迫の対比表を作って学習しましょう。「第三者による行為」「第三者対抗」の違いが頻出ポイントです。「強迫被害者は手厚く保護」と理解すると整理しやすいです。なお、強迫と類似する「公序良俗違反による無効」(民法90条)との関係も応用問題で問われます。
まとめ
- 強迫による意思表示は取消可能(96条1項)
- 第三者の強迫でも相手方の主観を問わず取消可
- 強迫取消しは善意無過失第三者にも対抗可