【問25】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|詐欺による意思表示
問題文
詐欺による意思表示に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.詐欺による意思表示は当然に無効となる。
- 2.詐欺による意思表示は取り消すことができ、取消しは善意無過失の第三者に対抗できない。
- 3.第三者の詐欺の場合、相手方の知不知にかかわらず常に取り消すことができる。
- 4.詐欺による取消しは善意無過失の第三者にも対抗できる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法96条1項により、詐欺による意思表示は「取り消すことができる」とされ、当然無効ではありません。取消権を行使してはじめて効力が失われます。
選択肢2 → ✅
民法96条1項により詐欺による意思表示は取消可能で、同条3項により詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません。第三者保護のための重要規定です。
選択肢3 → ❌
民法96条2項により、第三者が詐欺を行った場合は、相手方がその事実を知り又は知ることができたときに限り取消しが可能です。相手方の善意無過失の場合は取り消せません。
選択肢4 → ❌
民法96条3項により、詐欺による取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗することができません。これは取引安全のための制度です。
背景知識
詐欺とは、他人を欺罔して錯誤に陥らせ、その錯誤に基づいて意思表示をさせることをいいます。詐欺による意思表示は瑕疵ある意思表示として取消しの対象となります(民法96条1項)。第三者による詐欺の場合は、表意者保護と相手方保護のバランスを取るため、相手方の悪意・有過失が要件となります(96条2項)。さらに取消し前の善意無過失の第三者は保護され、取消しの効果を対抗されません(96条3項、2017年改正で「善意」から「善意無過失」に変更)。これにより、詐欺の被害者保護と取引安全のバランスが図られています。詐欺と類似する強迫(96条1項)では、第三者保護規定がない点が異なります。
学習アドバイス
詐欺の効果は「取消し」(無効ではない)を覚えましょう。第三者による詐欺の要件(相手方の悪意・有過失)、第三者保護(善意無過失)は重要事項です。2017年改正で第三者保護要件が「善意」から「善意無過失」に厳格化された点も押さえましょう。詐欺と強迫の違い(第三者保護の有無)も頻出です。
まとめ
- 詐欺による意思表示は取消可能(96条1項)
- 第三者の詐欺は相手方悪意・有過失で取消可
- 善意無過失の第三者には対抗不可(96条3項)