【問27】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|虚偽表示
法体系・取引の基礎 問27/40難易度B(標準)
問題文
通謀虚偽表示に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.通謀虚偽表示は当事者間でのみ無効となり、第三者には常に有効とみなされる。
- 2.相手方と通謀してした虚偽の意思表示は無効であるが、善意の第三者に対しては無効を対抗できない。
- 3.通謀虚偽表示は取消事由であり、取消権を行使するまでは有効である。
- 4.通謀虚偽表示の無効は善意有過失の第三者にも対抗できる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法94条1項により、通謀虚偽表示は当事者間で「無効」です。第三者に対しては無効ですが、善意の第三者には対抗できません(94条2項)。すべての第三者に有効ではありません。
選択肢2 → ✅
民法94条1項により相手方と通謀してした虚偽の意思表示は無効ですが、同条2項により善意の第三者に対してはその無効を対抗することができません。第三者保護のための重要規定です。
選択肢3 → ❌
通謀虚偽表示は無効事由であり、取消事由ではありません。当事者間では当然に無効となります(民法94条1項)。
選択肢4 → ❌
民法94条2項の第三者保護は「善意」のみが要件であり、過失の有無は問いません(判例)。詐欺取消し(2017年改正で善意無過失要件)とは異なります。
背景知識
通謀虚偽表示とは、相手方と通謀して真意と異なる虚偽の意思表示をすることをいいます。例えば、債権者からの差押えを免れるため、知人と通謀して不動産を売買したように装う場合です。民法94条1項により当事者間では無効ですが、その後不動産を譲り受けた善意の第三者(虚偽表示の事実を知らない者)には94条2項により無効を対抗できません。これは外観を信じた第三者を保護する制度です。判例は「善意」とだけ要求しており、無過失は不要としています(最判昭和41年3月18日等)。94条2項の類推適用により、虚偽の登記を放置した者にも適用範囲が拡張されることがあります。
学習アドバイス
民法94条の構造(1項:無効、2項:善意第三者保護)を必ず暗記しましょう。第三者保護要件が「善意」のみ(無過失不要)である点は詐欺(96条3項:善意無過失)と区別する頻出ポイントです。94条2項の類推適用も応用問題で出ます。
まとめ
- 通謀虚偽表示は無効(94条1項)
- 善意の第三者に対抗不可(94条2項)
- 第三者保護要件は善意のみ(無過失不要)