【問21】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|契約の成立要件
問題文
契約の成立に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.契約は申込みの意思表示と承諾の意思表示が合致したときに成立する。
- 2.契約はすべて書面によらなければ成立しない。
- 3.口頭による契約は法的拘束力を持たない。
- 4.契約の成立には目的物の引渡しが常に必要である。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法522条1項により、契約は申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立します。意思表示の合致(合意)が契約成立の中核要件です。
選択肢2 → ❌
民法522条2項により、契約は法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しません。原則として口頭でも成立します。
選択肢3 → ❌
口頭による契約も有効に成立し、法的拘束力を持ちます。ただし証明が困難になるため、実務では書面化が一般的です。
選択肢4 → ❌
2017年改正により要物契約は減少し、現行法では消費貸借(587条本文)・使用貸借(593条:諾成化)・寄託(657条:諾成化)など多くの契約が諾成契約となりました。書面による消費貸借(587条の2)など書面要件のあるものもあります。
背景知識
契約の成立には「申込み」と「承諾」という二つの意思表示の合致が必要です(民法522条)。契約は性質によって(1)諾成契約(合意のみで成立。売買・賃貸借など)、(2)要物契約(物の引渡しが必要)、(3)要式契約(一定の方式が必要)に分類されます。2017年改正で諾成契約が原則化され、使用貸借・寄託も諾成契約となりました。書面要件のある契約には保証契約(民法446条2項)、書面によらない贈与(550条)などがあります。電子契約や電子署名も書面と同視されます(電子署名法等)。実務上、契約成立時期の判定は重要で、対面契約は申込みと承諾が一致した瞬間、隔地者間契約は到達主義(民法97条1項)により承諾の意思表示が到達した時です。
学習アドバイス
契約成立の3要素「申込み・承諾・合致」を覚えましょう。原則として口頭でも成立する諾成主義(民法522条)、書面が必要な例外(保証契約など)を区別することが重要です。2017年改正で要物契約が減少した点も押さえてください。
まとめ
- 契約は申込みと承諾の合致で成立(民法522条)
- 原則として書面不要(諾成契約)
- 保証契約等は例外的に書面が必要