【問15】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|委任契約の特徴
問題文
委任契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.委任契約は当事者の合意のみでは成立せず、書面の作成が必要である。
- 2.受任者は善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。
- 3.委任は事務処理の結果を保証する契約であり、結果が出ない場合は報酬を請求できない。
- 4.委任契約は当事者のいずれか一方からは解除できない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
委任契約は諾成契約であり、当事者の合意のみで成立します(民法643条)。書面の作成は成立要件ではありません。
選択肢2 → ✅
民法644条は「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と規定しています。これを善管注意義務といい、委任契約の中核的義務です。
選択肢3 → ❌
委任契約は事務処理を引き受ける契約であり、結果ではなく事務処理過程を目的とします(請負との違い)。報酬は事務処理の対価として支払われ、結果保証ではありません。
選択肢4 → ❌
民法651条1項により、委任は各当事者がいつでも解除できます(任意解除権)。ただし相手方に不利な時期の解除は損害賠償義務が生じます(同条2項)。
背景知識
委任契約は、当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約です(民法643条)。法律行為以外の事務処理を委託する場合は準委任となり、委任の規定が準用されます(民法656条)。委任契約は無償が原則ですが、特約により有償化できます(民法648条1項)。受任者の義務には(1)善管注意義務(644条)、(2)報告義務(645条)、(3)受取物等の引渡義務(646条)、(4)金銭消費の利息支払義務(647条)があります。委任契約は信頼関係に基づくため、各当事者がいつでも解除できる任意解除権があります(651条)。当事者の死亡・破産・後見開始により終了します(653条)。
学習アドバイス
委任は「事務処理の過程」、請負は「結果」が目的という違いが頻出です。善管注意義務(644条)、任意解除権(651条)、終了事由(653条)は重要条文です。準委任(656条)が法律行為以外に適用される点も押さえましょう。
まとめ
- 委任は諾成契約で書面不要
- 受任者は善管注意義務を負う(民法644条)
- 各当事者はいつでも解除可能(任意解除権)