【問16】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|無権代理の効果
問題文
無権代理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.無権代理人がした契約は本人に当然に効力が及ぶ。
- 2.本人は追認でき、追認すれば契約成立時にさかのぼって効力が生じる。
- 3.無権代理の相手方は、本人の追認の有無にかかわらず契約を撤回できない。
- 4.無権代理人は契約相手に対して何らの責任も負わない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法113条1項により、代理権を有しない者がした行為は本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生じません(無効ではなく効力未確定)。
選択肢2 → ✅
民法113条1項・116条により、本人は無権代理行為を追認でき、追認すれば原則として契約時に遡って本人に効果が帰属します(遡及効)。
選択肢3 → ❌
民法115条により、無権代理の相手方は本人の追認がない間、本人に対して取消権(撤回権)を行使できます。ただし契約時に無権代理であることを知っていた相手方は撤回できません。
選択肢4 → ❌
民法117条1項により、無権代理人は相手方の選択に従い契約の履行または損害賠償の責任を負います。これを「無権代理人の責任」といいます。
背景知識
無権代理とは、代理権を持たない者が代理人として法律行為をする場合をいいます。無権代理は無効ではなく「効力未確定」状態となり、本人の追認(民法113条)により有効化、追認拒絶により確定的に無効となります。相手方には(1)催告権(114条)、(2)取消権(115条)、(3)無権代理人への履行・損害賠償請求権(117条)が認められます。117条の責任は無過失責任で、相手方が善意無過失の場合に成立します。表見代理(109条:代理権授与表示、110条:権限踰越、112条:代理権消滅後)が成立する場合は、本人に効果が帰属します。これらの保護制度により、取引の安全と本人の利益のバランスが図られています。
学習アドバイス
無権代理の効果を「本人」「相手方」「無権代理人」の三者の視点で整理しましょう。本人の追認権・追認拒絶権、相手方の催告権・取消権・無権代理人への責任追及権、無権代理人の117条責任を体系的に覚えることが重要です。表見代理3類型(109・110・112条)も頻出です。
まとめ
- 無権代理行為は本人の追認で遡及的に有効化
- 相手方には催告権・取消権がある
- 無権代理人は履行または損害賠償の責任を負う