【問14】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|代理の意義と要件
問題文
代理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.代理人が本人のためにすることを示さずに行った意思表示は当然に本人に効果が帰属する。
- 2.代理人が代理権の範囲内で本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に効果が帰属する。
- 3.代理人として行為するには必ず代理人自身が行為能力を有していなければならない。
- 4.代理人の権限は代理人の死亡によっても消滅しない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法100条本文により、代理人が本人のためにすることを示さない(顕名なし)で行った意思表示は、原則として代理人自身に効果が帰属します。ただし相手方が代理であることを知り又は知ることができた場合は本人に帰属します(同条ただし書)。
選択肢2 → ✅
民法99条1項により、代理人がその権限内で本人のためにすることを示してした意思表示(顕名)は、直接本人に対して効力を生じます。これが代理の基本効果です。
選択肢3 → ❌
民法102条により、代理人は行為能力者であることを要しないとされ、制限行為能力者でも代理人になれます。本人の自己責任で選任された以上、本人がそのリスクを負うためです。
選択肢4 → ❌
民法111条1項により、代理権は本人または代理人の死亡、代理人が破産手続開始決定または後見開始の審判を受けたことによって消滅します。
背景知識
代理制度は、本人に代わって代理人が法律行為を行い、その効果を本人に帰属させる制度です。代理が成立するには(1)代理権の存在、(2)顕名(本人のためにすることを示すこと)、(3)代理人の意思表示、(4)代理権の範囲内の行為、の4要件が必要です。代理には法定代理(親権者など法律で定まる)と任意代理(本人の委任による)があります。代理人は行為能力者である必要はなく(民法102条)、制限行為能力者でもなれますが、本人が選任した責任を負います。商法504条は商行為の代理について顕名を要しないとする例外を定めています。代理権消滅事由は本人の死亡、代理人の死亡・破産・後見開始です(民法111条)。
学習アドバイス
代理成立の4要件を必ず暗記しましょう。民法99条(顕名主義)と100条(顕名なき場合)の違い、商法504条(商行為の特則)も頻出です。代理権消滅事由(民法111条)も整理して覚えましょう。
まとめ
- 代理は顕名+権限内行為で本人に効果帰属
- 代理人は行為能力者でなくてもよい(民法102条)
- 本人または代理人の死亡で代理権消滅