【問11】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|権利能力の意義
法体系・取引の基礎 問11/40難易度A(易しい)
問題文
権利能力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.権利能力とは契約の意味を理解できる精神的能力をいう。
- 2.自然人の権利能力は出生に始まり死亡で終了する。
- 3.法人は登記した時点ではじめて権利能力を取得する。
- 4.胎児は権利能力を一切認められない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
契約の意味を理解できる精神的能力は「意思能力」(民法3条の2)です。権利能力は権利義務の主体となりうる地位・資格を指します。
選択肢2 → ✅
民法3条1項は「私権の享有は、出生に始まる」と規定し、自然人の権利能力は出生によって始まり死亡によって終了します。これが権利能力平等の原則の表れです。
選択肢3 → ❌
法人の権利能力は設立登記によって生じます(一般社団・財団法人法22条、会社法49条等)。「成立の時に」権利能力を取得し、設立登記が成立要件です。
選択肢4 → ❌
胎児は原則として権利能力がありませんが、不法行為による損害賠償請求(民法721条)、相続(民法886条)、遺贈(民法965条)については「既に生まれたもの」とみなされる例外があります。
背景知識
権利能力とは、権利・義務の帰属主体となりうる法律上の地位・資格のことです。自然人(個人)は出生によって権利能力を取得し、死亡によって失います。法人は法律の規定に基づいて設立されることで権利能力を取得します(民法34条、会社法等)。権利能力は「人」と認められるための基本的地位であり、明治民法以来、すべての自然人に平等に認められています(権利能力平等の原則)。胎児については例外的に、出生前から特定の法律関係(損害賠償請求、相続、遺贈)で「既に生まれたもの」とみなされ、保護されます。これは個別保護説・解除条件説などの議論があります。
学習アドバイス
権利能力・意思能力・行為能力の三つの能力概念を区別して理解することが重要です。「権利能力=主体となる資格」「意思能力=判断能力」「行為能力=単独で有効な法律行為をする能力」と整理しましょう。胎児の三つの例外(損害賠償・相続・遺贈)は頻出です。
まとめ
- 権利能力は出生に始まり死亡で終わる
- 法人の権利能力は設立登記で発生
- 胎児は損害賠償・相続・遺贈で例外的に保護