【問229】福祉住環境コーディネーター2級 練習問題|認知症と徘徊リスク
高齢社会と住環境整備 問28/29難易度B(標準)
問題文
認知症の中核症状である見当識障害が進行した場合、住環境整備として最優先すべき対応はどれか。
- 1.玄関に段差を設けて外に出にくくし、外出そのものを物理的に防ぐ
- 2.日中の活動を制限して臥床させ、生活リズムを強制する
- 3.照明や色分け、家具配置を工夫して分かりやすい環境にする
- 4.すべての出入口を常時施錠し、家族が鍵を管理して外出を止める
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
段差はそれ自体が転倒の原因になるうえ、見当識障害のある人は「なぜ出られないのか」を理解できず、不安や混乱を強めてしまう。行動を物理的に封じる発想は住環境整備の方向として誤り。
選択肢2 → ❌誤り
日中の活動制限は生活不活発を招き、ADLの低下と昼夜逆転を悪化させる。生活リズムは日中の活動と光を取り入れることで整えるのが原則である。
選択肢3 → ✅正解
見当識障害では時間・場所・人の把握が難しくなる。トイレの扉を目立つ色にする、家具の位置を変えない、夜間も動線を照らすなど視覚的な手がかりを増やすと、本人が自力で状況を把握しやすくなり落ち着いて過ごせる。
選択肢4 → ❌誤り
厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」は「自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する」ことを身体拘束の具体例に挙げている。閉じ込めは不安や興奮を強め、対応として不適切である。
背景知識
見当識障害は認知症の中核症状の一つで、時間・場所・人の見当がつきにくくなる状態をいう。物理的に閉じ込める対応は本人の不安や混乱を強め、身体拘束にあたるおそれもある。一方、色や照明、家具配置といった視覚的な手がかりを整えると、本人が自分で状況を把握しやすくなり、結果として落ち着いた生活につながる。
学習アドバイス
認知症への対応は制限ではなく環境調整という原則を押さえる。厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」の身体拘束11例も併せて確認しておくと、制度・相談援助の出題にも対応できる。
まとめ
- 見当識障害への住環境整備は「閉じ込め」ではなく「分かりやすさ」
- 扉の色分け・家具位置の一貫性・夜間照明などの視覚的手がかりが有効
- 施錠して隔離することは身体拘束の具体例に挙げられており不適切