【問212】福祉住環境コーディネーター2級 練習問題|在宅医療と住環境の連携
高齢社会と住環境整備 問26/29難易度C(難しい)
問題文
在宅医療を受ける高齢者の住環境設計において、医療関係者(訪問看護師・医師など)の活動をサポートするために、福祉住環境コーディネーターが最優先で取り組むべき課題は何か。
- 1.訪問医療職が動きやすい動線と、本人・家族の生活空間とを両立させる
- 2.生活空間としての機能は後回しにし、病院と同じ設備環境の再現を優先する
- 3.医療機器はすべて収納家具に隠し、室内の見た目の美しさを優先する
- 4.訪問医療職の提案をそのまま採用し、本人と家族の意向は参考にとどめる
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
在宅医療は生活の場で行われる医療である。玄関からベッドまでの動線、処置や機器設置のスペース、衛生管理を確保しつつ、居間や寝室が生活の場として成り立つよう調整する。この医療側の要件と生活側の要件を突き合わせる調整こそが福祉住環境コーディネーターの専門領域である。
選択肢2 → ❌誤り
医療機能の確保は必要だが、病院設備の再現そのものを目的にすると住まいが療養室と化し、本人と家族の生活が成り立たなくなる。在宅ではこの両者を両立させることが前提となる。
選択肢3 → ❌誤り
室内の見え方への配慮自体は否定されないが、必要な機器の取り出しやすさや使用時の安全を損なう収納は、急変時の対応を遅らせる。機能を確保したうえでの配慮でなければならない。
選択肢4 → ❌誤り
住環境をどう整えるかの決定は、そこで暮らす本人と家族が行う。医療職の助言は重要な情報だが、それを無条件に実行するのではなく、生活者の意向と突き合わせて調整することが相談援助の基本である。
背景知識
高齢社会の進展に伴い、在宅医療の需要が急速に増加している。在宅医療は生活の場での医療提供であり、処置スペースや衛生管理といった医療側の要件と、本人と家族が暮らす場としての要件を同時に満たす必要がある。また訪問診療医、訪問看護師、本人、家族など複数の関係者の意向を調整することが求められる領域でもある。
学習アドバイス
在宅医療の環境づくりでは、医療視点と生活視点をどう統合するかが成否を分ける。その調整役に福祉住環境コーディネーターの価値がある。
まとめ
- 在宅医療の環境は、医療としての要件と生活の場としての要件の両立が不可欠
- 訪問医療職の動線・処置スペース・衛生管理と、本人・家族の生活の質を同時に考える
- 住環境の決定権は本人と家族にあり、関係者間の調整・相談援助が重要な役割