【問211】福祉住環境コーディネーター2級 練習問題|高齢者の栄養と食事環境の整備
高齢社会と住環境整備 問25/29難易度B(標準)
問題文
加齢により立位の保持が難しくなり、摂食嚥下機能も低下してきた高齢者が、自分で食事を準備し安全に食べ続けるための住環境整備として、最も適切な配慮はどれか。
- 1.調理は本人にさせず、すべて調理済みの食事を用意する方式に変える
- 2.調理台は座位で作業できる高さにし、椅子は足底が床につく高さにする
- 3.使い慣れた調理器具をすべて最新の自動調理家電に買い替える
- 4.食卓を高くして、皿を目線の高さに近づけ、顎を上げて食べる姿勢をとる
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
調理を全面的に取り上げると、本人にできる動作まで失われ、廃用と意欲の低下を招く。自分で選んで用意するという行為は、食欲や栄養摂取量の維持にも関わっている。
選択肢2 → ✅正解
立位が続かなくなっても、膝が入る高さの調理台といす座での作業スペースがあれば調理は継続できる。また食事の際は足底が床に着き、股関節・膝・足首がおよそ90度になる座位が安定し、軽い頸部前屈が保たれて誤嚥しにくくなる。足が床に届かない場合は足台で補う。
選択肢3 → ❌誤り
新しい機器の操作を覚える負担が大きく、かえって混乱や事故につながりやすい。使い慣れた道具を活かしたうえで、高さや配置を調整するほうが安全で効果的である。
選択肢4 → ❌誤り
テーブルが高すぎると肩が上がり、顎の上がった頸部伸展位になる。この姿勢は気道が開いて食物が気管へ入りやすくなるため、誤嚥予防としてはむしろ逆効果である。机は肩を下ろした状態で肘が乗る高さが目安となる。
背景知識
加齢に伴い、立位を長く保てなくなったり摂食嚥下機能が低下したりする高齢者は多い。それでも可能な範囲で、自分で食べたい物を選び、準備し、口から食べるという形は維持したい。そのためには、いす座で作業できる調理台の高さや膝入れスペースの確保に加え、足底が床に着き軽い頸部前屈が保たれる食事姿勢をつくる、いすとテーブルの高さの調整が重要になる。
学習アドバイス
機能に障害があっても「できる工夫」を引き出すのが福祉住環境コーディネーターの価値。完全な依存化ではなく、できる範囲の自立を目指したい。
まとめ
- 立位保持が難しくてもいす座で作業できる調理台にすれば、自分で準備する形を続けられる
- 食事姿勢は足底接地・股関節膝足首90度・軽い頸部前屈が基本で、いすとテーブルの高さが直接効く
- テーブルが高すぎると頸部伸展位となり誤嚥リスクが高まる