【問209】福祉住環境コーディネーター2級 練習問題|老々介護の課題と住環境対応
高齢社会と住環境整備 問23/29難易度C(難しい)
問題文
高齢の配偶者が軽度の要介護状態にある場合の老々介護において、福祉住環境コーディネーターが認識すべき最大のリスク要因は何か。
- 1.介護者である高齢者自身が過労や転倒で健康を損ない、共倒れに至ること
- 2.介護費用の膨張による経済的不安が、うつ病の発症を招くこと
- 3.認知症が進行した時点で、施設入所が唯一の解決策となること
- 4.介護される側は社会経験が豊富なので、本人の工夫だけで対応できること
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
老老介護では、介護する側の高齢者が過労や移乗・入浴介助による腰痛、転倒によって自らも要介護状態に陥る「介護の連鎖」が起きやすい。2022年国民生活基礎調査では同居の主な介護者と要介護者がともに65歳以上の世帯が63.5%に達しており、介護者の身体保護と介護負荷の軽減が住環境整備の要点となる。
選択肢2 → ❌誤り
経済的負担も課題ではあるが、介護費用の膨張を起点としたうつ病発症を最大のリスクとする根拠はない。老老介護でまず顕在化するのは介護者自身の心身の消耗であり、住環境整備で直接手を打てるのもそこである。
選択肢3 → ❌誤り
認知症の進行が直ちに在宅生活の限界を意味するわけではない。住環境整備と介護サービスの併用によって在宅継続は可能であり、施設入所を唯一の解決策と断定するのは誤りである。
選択肢4 → ❌誤り
社会経験の豊富さは介助の技術や体力の代わりにはならない。身体機能が低下した高齢者が他者を介助することは負担が大きく、専門職の支援と環境整備が不可欠である。
背景知識
老々介護とは、高齢者が高齢者を介護する状況を指す。2022年国民生活基礎調査では、同居の主な介護者と要介護者がともに65歳以上の世帯は63.5%に達し、過去最高を更新した。介護される側だけでなく介護する側の身体機能も低下しているため、移乗や入浴の介助で腰を痛める、転倒するなどして介護者自身が要介護状態になる「介護の連鎖」が起きやすい。共倒れを防ぐには、介護負荷そのものを減らす環境整備が最優先課題となる。
学習アドバイス
老々介護は自治体の高齢福祉相談でも中心的なテーマ。共倒れに至るプロセスと、その手前で打てる住環境上の手当てをセットで押さえておきたい。
まとめ
- 老々介護の最大リスクは介護者自身の健康悪化と共倒れ(介護の連鎖)
- 同居の介護者・要介護者がともに65歳以上の世帯は63.5%(2022年国民生活基礎調査)
- 手すり・段差解消・福祉用具の活用で介護負荷を減らすことが、結果として被介護者の在宅継続を支える