【問202】福祉住環境コーディネーター2級 練習問題|加齢による感覚機能変化と環境対応
問題文
視力・聴力・嗅覚など複数の感覚機能の低下が同時に進行している高齢者の住環境を整備する場合、情報の伝え方に関する設計上の原則として最も適切なものはどれか。
- 1.照度確保と色彩コントラストだけを整え、聴覚や嗅覚の低下には対応しない
- 2.視覚・聴覚・触覚など複数の経路で同じ情報を重ねて伝える設計とする
- 3.感覚全体が低下しているとみなし、音量と照度をできる限り強くする
- 4.嗅覚と味覚の低下に絞り、栄養指導と食事内容の改善だけで対応する
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
視覚への対応は基本だが、聴覚が低下すると警報器のブザー音に気づけず、嗅覚が低下するとガス漏れや焦げ臭に気づけない。一つの感覚だけを補っても危険は残る。
選択肢2 → ✅正解
ユニバーサルデザインの原則4「認知できる情報」のガイドラインは、重要な情報を絵・音声・触覚など異なる方法で重ねて提示することを求めている。ある感覚の低下を他の感覚が補うため、複数の低下が同時に進む高齢者に有効である。
選択肢3 → ❌誤り
刺激を一律に強めるとまぶしさ(グレア)や不快な騒音を生み、かえって情報が届きにくくなる。低下の種類も程度も個人差が大きく、一律の増強では対応できない。
選択肢4 → ❌誤り
嗅覚・味覚の低下への配慮は必要だが、それは栄養面の課題であり情報伝達の設計原則にはならない。嗅覚低下に対する住環境側の対応は、ガス漏れ警報器や立ち消え安全装置付きコンロ、IHヒーターへの交換などである。
背景知識
加齢に伴う感覚機能の低下は視覚だけでなく、聴覚・嗅覚・味覚・触覚にも同時に及ぶことが多い。聴覚が低下すると警報器のブザー音に気づけないため、光や振動で知らせる装置が必要になる。嗅覚が低下するとガス漏れや調理中の焦げ臭に気づけないため、ガス漏れ警報器や立ち消え安全装置付きコンロ、IHヒーターへの交換が有効となる。ユニバーサルデザインの原則4「認知できる情報」は、重要な情報を複数の伝達方法で重ねて示すことを求めており、複数の感覚低下が重なる高齢者への基本的な考え方となる。一方で、刺激を強めればよいという発想はグレアや騒音を生み、逆効果になりやすい。
学習アドバイス
複数の感覚が同時に低下する以上、一つの感覚を補強するだけでは足りない。ユニバーサルデザインの本質は「複数の経路で情報が届くこと」にあると理解しておきたい。
まとめ
- 複数感覚の低下には、単一の感覚に依存しない情報伝達が原則となる
- 視覚・聴覚・触覚など複数の経路で同じ情報を重ねて伝える(UD原則4)
- 刺激を一律に強めるのではなく、適切な強度と経路の組み合わせで対応する