【問217】eco検定 練習問題|地下水の過度な採取と淡水資源の枯渇
いま地球で起きていること 問22/23難易度A(易しい)
問題文
インド、パキスタン、中国の一部地域では、灌漑農業の拡大とともに深刻な水不足が生じています。この問題の主な原因として最も適切なものはどれか。
- 1.雨水の貯蔵・利用技術が進み、地下水が地表に湧き出すようになり、水位が上昇している。
- 2.農業の近代化により、灌漑用水の効率が大幅に改善され、取水需要が減少した。
- 3.ダム建設により地表水供給が増加し、地下水への依存度が低下した。
- 4.降雨による涵養量を大きく上回る量の地下水の汲み上げが続いている。
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
実際には地下水位は低下し続けており、雨水利用が進んでも過剰揚水そのものは解消されない。
選択肢2 → ❌誤り
灌漑面積と作付けの拡大により取水需要はむしろ増加しており、効率改善分は増産に振り向けられている。
選択肢3 → ❌誤り
地表水だけでは需要を賄えず、乾季を中心に地下水への依存が続いている地域が多い。
選択肢4 → ✅正解
地下水は降雨により時間をかけて涵養されるが、衛星観測では北西インドだけで年150億m³規模の地下水が失われており、涵養を超える揚水が続けば帯水層は回復しない。
背景知識
国連の報告では、世界で約40億人が年に少なくとも1か月は水不足に直面し、主要な地下水盆の多くが長期的な減少傾向にある。インドのパンジャブ州では、モンスーン前の地下水位が1984年以降おおむね年0.37m前後のペースで低下し続け、地下水面が地表から10mより深い地域は2000年の約3割から2019年には7割超に広がった。原因は米・小麦の二毛作を支える無償同然の電力と地下水汲み上げである。
学習アドバイス
「水が足りない」のではなく「涵養に何十年もかかる有限な貯金を取り崩している」という捉え方が重要。
まとめ
- 地下水の過剰採取が広い地域で進行している
- 涵養速度を上回る採水は持続不可能である
- 食糧生産と水資源保全のジレンマが存在する