【問230】知的財産管理技能検定2級 練習問題|消費者契約法と不当条項
関連法規 問20/21難易度A(易しい)
問題文
消費者X氏が音楽配信サービスの利用契約を結ぶ際、規約に「契約後、利用者からの任意の解約はいっさい認めない」と定められていた。この条項は消費者契約法上どう評価されるか。
- 1.営利目的の契約なので消費者契約法は適用されない
- 2.消費者の利益を一方的に害する条項として無効となりうる
- 3.知的財産権の行使なので消費者契約法の適用対象外である
- 4.損害賠償額の予定に関する条項として9条により無効となる
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
消費者契約法は事業者と消費者(事業としてでなく契約する個人)との契約に適用される(2条)。事業者側が営利であることは適用を妨げない。
選択肢2 → ✅正解
民法などの任意規定が適用される場合に比べて消費者の解約権を制限し、信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項として、消費者契約法10条により無効となりうる。
選択肢3 → ❌誤り
著作物の利用許諾契約であっても、相手方が消費者であれば消費者契約法が適用される。知的財産権を理由とする適用除外の規定はない。
選択肢4 → ❌誤り
9条は解除に伴う違約金のうち平均的損害を超える部分や年14.6%を超える遅延損害金を無効とする規定であり、解約そのものを禁じる条項には及ばない。
背景知識
消費者契約法10条は、法令中の公の秩序に関しない規定(民法などの任意規定)が適用される場合に比べて消費者の権利を制限し又は義務を加重する条項のうち、民法1条2項の信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効とします。消費者の中途解約権や解除権の行使を制限する条項は、この10条で争われる典型例です。同じ不当条項規制でも、9条は違約金や遅延損害金の「額」の上限を定める別の規定であり、混同しやすい点です。著作物の利用許諾契約であっても、相手方が消費者であれば同法は適用されます。
学習アドバイス
8条=免責条項、8条の2=解除権の放棄、9条=違約金の額、10条=一般条項、と条番号を役割で覚えると取り違えを防げる。
まとめ
- 消費者の解約権を制限する条項は消費者契約法10条の問題になる
- 10条は任意規定と比べた権利制限と信義則違反の二要件で判断する
- 9条は違約金・遅延損害金の額の上限を定める別の規定である