【問231】知的財産管理技能検定2級 練習問題|独占禁止法と知的財産権の過度な行使
関連法規 問21/21難易度B(標準)
問題文
特許権者Bさんが医療機器メーカーとのライセンス契約で「当社が認めた医療機関にのみ当該機器を販売でき、他への転売・リースはいっさい禁止する」と制限した。この条件は独占禁止法上、問題となるか。
- 1.過度な流通制限として不公正な取引方法に当たりうる
- 2.特許権の行使だから独占禁止法は適用されない
- 3.ライセンス条件は当事者の自由で独占禁止法の規制外である
- 4.特許権の存続期間中の流通制限はすべて認められず無効である
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
ライセンシーの販売先を限定し転売等をいっさい禁じる拘束は、市場閉鎖効果などが生じる場合に拘束条件付取引などの不公正な取引方法として独禁法19条違反となりうる。
選択肢2 → ❌誤り
独禁法21条は特許法等による権利の行使と認められる行為を適用除外とするが、権利の趣旨を逸脱し又はその目的に反する行為は「権利の行使と認められる行為」に当たらず、規制対象となる。
選択肢3 → ❌誤り
契約自由の原則は独禁法の適用を排除しない。ライセンス条件も競争に与える影響という観点から審査される。
選択肢4 → ❌誤り
問題となるのは競争を不当に制限する過度な制限であって、存続期間中の流通制限が一律に許されないわけではない。
背景知識
独占禁止法19条は「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない」と定めるだけの一文で、その中身は2条9項と公正取引委員会の一般指定によって具体化されます。21条は特許法等による権利の行使と認められる行為を適用除外としますが、公正取引委員会の「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」は、権利の趣旨を逸脱し又はその目的に反する行為は「権利の行使と認められる行為」に当たらないとしています。ライセンシーの販売先を限定する拘束は、市場閉鎖効果などが生じる場合に拘束条件付取引として問題となります。
学習アドバイス
知財と独禁法は「21条で原則は適用除外、ただし権利の趣旨を逸脱すれば除外されない」という二段構えで押さえる。
まとめ
- 独禁法19条は不公正な取引方法を禁じ、中身は2条9項と一般指定で定まる
- 21条の適用除外は権利の趣旨を逸脱する行為には及ばない
- ライセンシーへの販売先制限は拘束条件付取引として問題となりうる