【問222】知的財産管理技能検定2級 練習問題|技術的制限手段の回避
問題文
技術的制限手段の回避をめぐる不正競争防止法の規律に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.無効化機能を持つ装置やプログラムを譲渡・提供する行為が規制対象である
- 2.利用者が自ら回避する行為それ自体も、不正競争として差止請求の対象になる
- 3.試験・研究のために用いる装置の譲渡であっても、例外なく不正競争となる
- 4.不正競争に当たるだけで、提供者に刑事罰が科されることはない
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
2条1項17号・18号は、技術的制限手段により制限されている影像・音の視聴やプログラムの実行等を、当該手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置・プログラム・指令符号や役務を、譲渡・引渡し・提供等する行為を不正競争としています。
選択肢2 → ❌誤り
不正競争防止法が不正競争としているのは無効化装置等の提供等の行為であり、利用者が自ら回避する行為それ自体は不正競争に当たりません。回避行為そのものを捉えるのは著作権法の技術的保護手段に関する規定です。
選択肢3 → ❌誤り
19条1項は、2条1項17号・18号の不正競争について、技術的制限手段の試験又は研究のために用いられる装置・プログラム等の譲渡等を適用除外としています。一律に不正競争となるわけではありません。
選択肢4 → ❌誤り
21条2項は、不正の利益を得る目的等で無効化装置等を提供する行為に罰則を定めており、民事上の差止め・損害賠償にとどまりません。
背景知識
不正競争防止法は、コピープロテクトやアクセス制御といった技術的制限手段を営業上用いている事業者を保護しています。もっとも規制の対象とされているのは、その効果を妨げる機能を持つ装置・プログラム・指令符号や役務を譲渡・引渡し・提供等する行為であり、利用者が自ら回避する行為それ自体ではありません。回避行為自体を一定の場合に規制するのは著作権法の技術的保護手段の規定であり、両者は役割が異なります。2条1項17号は不特定の者に向けた技術的制限手段を、18号は特定の者以外の者に視聴等をさせないための技術的制限手段を対象としています。
学習アドバイス
不競法は「提供行為」を、著作権法は「回避行為」を捉えるという役割分担で覚えると混同しません。号番号も、限定提供データ(11〜16号)の後に続く17号・18号である点を押さえてください。
まとめ
- 技術的制限手段に関する不正競争は2条1項17号・18号に規定されている
- 規制対象は無効化装置・プログラム・役務の提供等であり、回避行為自体ではない
- 試験・研究のために用いる装置等の譲渡は19条1項の適用除外に当たる