【問221】知的財産管理技能検定2級 練習問題|営業秘密の保護期間と特許出願の選択
問題文
発明をした企業が、その発明を営業秘密として秘匿するか特許出願するかを判断する場面に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.営業秘密の保護期間は不正競争防止法により3年間と法定され、特許権の存続期間より短い
- 2.営業秘密は秘密として管理される限り保護期間の上限がなく、長期の保護が可能である
- 3.営業秘密として管理してきた技術は、新規性がないため特許出願をしても必ず拒絶される
- 4.営業秘密として管理してきた発明を、後から特許出願することは法律上禁止されている
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
不正競争防止法に営業秘密の保護期間を3年と定めた規定はありません。3年という数字は同法15条の差止請求権の消滅時効(侵害の事実および行為者を知った時から3年)であって、保護そのものの期間ではありません。
選択肢2 → ✅正解
営業秘密(不正競争防止法2条6項)には保護期間の法定上限がなく、秘密管理性・有用性・非公知性が保たれる限り2条1項4号~10号による保護が続きます。特許権は特許法67条1項により出願の日から20年で満了するため、長期保護を重視するなら営業秘密が有利です。
選択肢3 → ❌誤り
秘密として管理され公然と知られていない情報は非公知であり、特許法29条1項の新規性を失っていません。営業秘密として管理してきた技術でも特許出願は可能で、必ず拒絶されるわけではありません。
選択肢4 → ❌誤り
営業秘密として管理していた発明を後から特許出願することを禁じる規定はありません。ただし出願が公開されれば非公知性が失われ、以後は営業秘密としての保護を受けられなくなります。
背景知識
発明を守る手段には、特許出願して独占権を得る道と、営業秘密として秘匿する道があります。特許権は特許法67条1項により出願の日から20年で満了し、その代わりに出願内容が公開されます。営業秘密は不正競争防止法2条6項の3要件(秘密管理性・有用性・非公知性)を満たす限り期間の上限なく保護されますが、他社が独自に開発した場合や適法なリバースエンジニアリングで到達した場合には止められません。製品を分解しても分からない製造方法は営業秘密、製品を見れば分かる技術は特許、という使い分けが一般的です。
学習アドバイス
「営業秘密は期間の上限なし/特許権は出願の日から20年」という対比をまず押さえてください。営業秘密まわりで出てくる「3年」は不競法15条の差止請求権の消滅時効であり、保護期間とは別物です。
まとめ
- 営業秘密は秘密管理が続く限り保護期間に上限がない
- 特許権は特許法67条1項により出願の日から20年で満了する
- 不競法15条の3年は差止請求権の消滅時効で保護期間ではない