【問209】知的財産管理技能検定2級 練習問題|ハーグ協定における国際登録出願の手続
国際条約 問23/24難易度B(標準)
問題文
ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際出願に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.自国の特許庁に基礎出願をし、その登録を受けた後でなければ国際出願はできない。
- 2.指定国ごとに個別の出願書類を各国官庁へ提出する必要があり、一括出願はできない。
- 3.国際登録後に、保護を受けたい国を後から追加指定していくことができる。
- 4.自国での基礎出願や基礎登録がなくても、WIPO国際事務局へ直接出願できる。
解説
正解
正解は選択肢4です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
基礎出願・基礎登録を必要とするのは商標のマドリッド協定議定書であり、意匠の国際出願と混同したものです。基礎登録の取得を待つ必要はありません。
選択肢2 → ❌誤り
一つの出願・一つの言語で複数の締約国を指定でき、WIPO国際事務局が国際登録簿で一元管理できることが、この制度の中核的な利点です。
選択肢3 → ❌誤り
ハーグ制度には事後指定の仕組みがなく、指定国は出願時に確定させる必要があります。この点でも事後指定が可能なマドリッド協定議定書と異なるため、出願時の国選びは慎重に行う必要があります。
選択肢4 → ✅正解
ジュネーブ改正協定では基礎出願・基礎登録は要件とされていません。締約国の国民であること、締約国に住所・常居所・現実かつ真正の営業所を有することなどの資格を満たせば、WIPO国際事務局へ直接(自国官庁を経由することも可能)出願できます。
背景知識
ハーグ協定は意匠の国際登録に関する制度で、日本は2015年にジュネーブ改正協定(1999年)に加入しました。一つの国際出願で複数の締約国を指定でき、WIPO国際事務局が国際登録簿で一元的に管理します。商標のマドリッド協定議定書と似た制度に見えますが、基礎出願・基礎登録を必要としない点と、事後指定の制度がない点が大きく異なります。出願する資格は、締約国の国民であること、又は締約国に住所・常居所・現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有することなどで足ります。
学習アドバイス
マドプロ(商標)は基礎出願が要る、ハーグ(意匠)は要らない。この対比で覚えると、両制度を取り違える出題に対応できます。
まとめ
- 意匠の国際出願に基礎出願・基礎登録は不要である
- 一つの出願で複数の締約国を指定でき、WIPO国際事務局が管理する
- 出願後に指定国を追加する事後指定の制度はない