【問206】知的財産管理技能検定2級 練習問題|WIPO設立条約とWIPOの基本的機能
国際条約 問20/24難易度A(易しい)
問題文
WIPO(世界知的所有権機関)の主な役割として適切でないのはどれか。
- 1.工業所有権および著作権に関する国際条約の実施を促進し、加盟国間での協力を仲介する。
- 2.知的財産に関する国際登録制度(PCT、マドリッド協定議定書等)の管理と運用を行う。
- 3.各国の知的財産権紛争について最終判決を下す国際裁判所として機能する。
- 4.知的財産の保護・利用に関する技術支援や研修を加盟国に提供する。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
WIPO設立条約が定める中心的な任務であり、パリ同盟・ベルヌ同盟等の管理はWIPOの主要な役割です。
選択肢2 → ❌誤り
WIPO国際事務局はPCT、マドリッド協定議定書、ハーグ協定などの国際登録制度を実際に管理・運用しています。
選択肢3 → ✅正解
WIPOに司法判断権はありません。仲裁調停センターによる仲裁・調停やドメイン名紛争処理(UDRP)といった紛争解決支援は行いますが、権利の有効性や侵害の最終判断は各国の裁判所や行政庁が行います。
選択肢4 → ❌誤り
開発途上国を含む加盟国への法律的・技術的援助や人材育成はWIPO設立条約に明記された任務の一つです。
背景知識
WIPO設立条約は1967年にストックホルムで署名され1970年に発効し、WIPOは1974年に国際連合の専門機関となりました。WIPOは知的財産に関する条約の管理、国際登録制度の運用、加盟国への技術支援や人材育成、紛争解決サービスの提供を担いますが、各国の司法権に代わる裁判機関ではありません。
学習アドバイス
WIPOの役割は『条約の管理・国際登録の運用・技術支援・紛争解決の支援』です。裁判所ではない点、WTO(TRIPS協定の紛争解決)との違いも整理しておきましょう。
まとめ
- WIPOは国連の専門機関として知的財産の国際的保護を促進する
- PCTやマドリッド協定議定書など国際登録制度を管理・運用する
- 仲裁調停の支援は行うが最終的な司法判断権は各国にある