【問204】知的財産管理技能検定2級 練習問題|パリ条約における属地主義の原則
国際条約 問18/24難易度A(易しい)
問題文
知的財産権に関する国際条約の基本原則として、「属地主義」とはどのような意味か。
- 1.工業所有権は国家の領域内に限定され、ある国で取得した権利はその領域内でのみ有効である。
- 2.すべての加盟国で同一の条件で知的財産権が登録され、一国での登録は他国での登録と同等の効力を持つ。
- 3.工業所有権は国籍に基づいて保護され、保有者の国籍国でのみ権利が有効である。
- 4.最初に権利を取得した国での登録が全世界で優先的に認められる国際的な効力を持つ。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
属地主義とは、知的財産権の成立・移転・効力がその国の法令によって定まり、効力が当該国の領域を超えないとする原則です。パリ条約もこれを前提とし、第4条の2(特許の独立)や第6条(3)(商標の独立)で明文化しています。
選択肢2 → ❌誤り
これは属地主義と正反対の考え方です。パリ条約は『世界特許』や『世界商標』を作る条約ではなく、各国の権利が独立することを前提としています。
選択肢3 → ❌誤り
属地主義は権利者の国籍ではなく権利が成立した国の領域を基準とする原則です。パリ条約はむしろ内国民待遇(第2条)により国籍による差別を禁じています。
選択肢4 → ❌誤り
最初の登録国の権利が全世界に及ぶことはありません。パリ条約の優先権も、他国で改めて出願することを前提に出願日を遡及させる制度にすぎません。
背景知識
属地主義は国際知的財産法の最も基本的な原則で、各国が自国の法令に従って独立に権利を付与・保護する体制を前提とします。パリ条約は属地主義を出発点としたうえで、内国民待遇(第2条)・優先権(第4条)・各国権利の独立(第4条の2、第6条(3))という三つの柱で国際的な保護を調整しています。
学習アドバイス
属地主義は『各国独立』『領域限定』でイメージし、パリ条約の三大原則(内国民待遇・優先権・各国権利独立)とセットで整理しましょう。
まとめ
- 属地主義は知的財産権の効力が各国の領域内に限られるとする原則
- パリ条約は属地主義を前提に各国権利の独立を明文化している
- 権利者の国籍ではなく権利が成立した国の法令が基準となる