【問203】知的財産管理技能検定2級 練習問題|パリ条約における本国での拒絶・却下の効果
国際条約 問17/24難易度B(標準)
問題文
A国(パリ同盟国)の特許庁が特許出願を拒絶した場合、他のパリ同盟国B国での同一発明についての特許出願の審査に対して、A国での拒絶がどのような法的効力を有するか。
- 1.B国の審査官はA国の拒絶理由に拘束され、同じ理由で拒絶しなければならない。
- 2.B国の審査は独立して行われ、A国での拒絶は法的な拘束力を持たない。
- 3.B国での出願は自動的に却下され、出願人はB国での再出願の機会が得られない。
- 4.A国での拒絶により、B国での出願は優先権の利益を失う。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
他国の審査結果を事実上参考にすることはあっても、法的に拘束されることはありません。パリ条約第4条の2が定める各国特許独立の原則に反します。
選択肢2 → ✅正解
パリ条約第4条の2『各国の特許の独立』により、各同盟国で取得される権利は他国の権利から独立します。付与・拒絶の判断も各国が独自に行うため、A国の拒絶はB国を拘束しません。
選択肢3 → ❌誤り
各同盟国は自国の法令に基づき独立して審査するため、他国の拒絶を理由に自動的に却下されることはありません。
選択肢4 → ❌誤り
優先権は最初の出願がされた事実に基づいて発生し、その後に本国で拒絶されても優先期間内であれば主張できます。パリ条約第4条の2(5)も優先権により取得した特許を独立に扱っています。
背景知識
パリ条約は各同盟国の工業所有権法を尊重する属地主義を前提とし、第4条の2で『各国の特許の独立』を明文化しています。これにより、同一の発明について複数国で出願しても、各国の特許は付与・無効・消滅・存続期間のいずれの面でも互いに独立して扱われます。
学習アドバイス
『各国特許独立の原則』(第4条の2)は属地主義とセットで問われます。付与だけでなく無効・消滅・存続期間も独立、と押さえましょう。
まとめ
- パリ条約は属地主義を前提とし第4条の2で各国特許独立を明文化
- 各同盟国の出願は独立して審査され他国の判断に拘束されない
- 本国での拒絶があっても優先期間内なら優先権は主張できる