【問230】知的財産管理技能検定3級 練習問題|営業秘密侵害に対する差止請求
不正競争防止法 問13/15難易度B(標準)
問題文
営業秘密である新製品の設計図を競合企業に不正取得され、それを基に量産が始まった。被害企業がとりうる民事上の救済として最も適切なものはどれか。
- 1.使用の差止めと、営業秘密を記録した物の廃棄を請求できる。
- 2.既に生じた損害の賠償請求のみが認められ、差止めはできない。
- 3.競合企業の全面的な操業停止命令を求めることができる。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
不正競争防止法3条1項が侵害の停止又は予防の請求(差止請求)を、同条2項が侵害の行為を組成した物の廃棄や侵害の行為に供した設備の除却を認めている。進行中の侵害に対しては、この組合せが被害拡大の防止に最も有効である。
選択肢2 → ❌誤り
不正競争防止法3条1項は侵害の停止又は予防の請求を認めており、損害賠償(4条)だけに限られない。量産が進行している場面では賠償だけでは被害拡大を止められない。
選択肢3 → ❌誤り
3条の差止めは不正競争行為、すなわち当該営業秘密の使用等の停止・予防に必要な範囲に限られる。侵害と無関係な事業まで含めた全面的な操業停止を求めることはできない。
背景知識
不正競争防止法は、営業秘密侵害に対して3条1項で差止請求を、3条2項で侵害の行為を組成した物の廃棄や設備の除却を認めている。4条の損害賠償は既に生じた損害の填補であり、侵害が継続している局面では被害の拡大を止められない。そのため実務では、本案訴訟に先立って仮処分により差止めを求めることも多い。
学習アドバイス
民事救済の3条(差止め・廃棄)と4条(損害賠償)の役割分担を押さえる問題。「進行中の侵害には差止め、過去の損害には賠償」と対応づけて覚えると判断しやすい。
まとめ
- 不正競争防止法3条1項が差止請求、同条2項が廃棄・除却等の請求を定める。
- 差止めの対象は侵害行為の停止・予防に必要な範囲であり、相手方の全事業の停止ではない。
- 損害賠償(4条)は過去の損害の填補であり、進行中の侵害の停止には差止めが必要である。